その筆頭が韓国の文在寅大統領だったが、冬季オリンピックを切っ掛けに、韓国と北朝鮮間で地ならしされた結果、アメリカと北朝鮮の首脳会談が現実のものになった。
これを以て、文在寅大統領をノーベル平和賞の候補に推す人も出ている。
ところが一方では、北朝鮮が姿勢を軟化したのは、日米を中心にした北朝鮮への経済制裁の効果だと主張する人たちもいる。
韓国は北朝鮮の微笑み外交に振り回されているだけと見る人と、武力を背景にした圧力では事態を悪化させるだけと見る人の意見は、決して交わることのない平行線だ。
財務省の公文書書き換え問題もそうだ。
一公務員が勝手に書き換えなどするはずがなく、必ず安倍首相、若しくは首相周辺からの圧力があったはずと考える人と、財務省自らが自分たちの組織を守るためにやったと言っているのだから、首相夫婦は無関係と考える人では、全く一致点はない。
これは人が、親から引き継いだDNA、育ってきた環境、それまで受けた教育や様々な経験等で作り上げられた思想であり、ちょっとやそっとでは変わらない。
更に人間には、自動的に確証バイアスがかかる傾向があるので、自分に都合の良い情報は利用するが、逆の情報は見る前に廃棄してしまう。
結果として、自分の考えに頑迷固陋になり、反対意見に対して聞く耳を持たなくなる。
僕のブログで安倍晋三首相を「嘘つきで馬鹿」と罵倒した人に、「では他の誰がいいのか?」と質問したら、「いくらでもいる」ような回答があった。
そこで野党の代表を思い浮かべてみたが、どう見まわしても碌な人材がいない。
皮肉を込めて、野党の代表者たちを列挙したが、彼は大真面目に「前原誠司と野田佳彦は論外」と述べてきた。
では、玉木雄一郎や大塚浩平、枝野幸男なら、安倍首相の替わりが務まるのかとなると、どう贔屓目に観てもそれはあり得ない。
………と、僕は思うのだが、そうではない人もいる。
この二つの意見は、いくらお互いに話し合ったとしても、「では足して二で割ろう」と解決するわけにはいかない。
僕は、自他ともに認める保守的な人間だ。
今の野党には全く期待していないだけでなく、彼らの活動ぶりには嫌悪感すら持っている。
特に、戦争反対を叫びながら、自分達の暴力は正義だと言い募るダブルスタンダードには、呆れ果てると同時に、人間性すら疑っている。
しかし彼らはまた逆に、僕のような思想は反動的で差別的だと反撃してくる。
僕は、ここにきて北朝鮮が軟化したのは、これ以上の経済痾制裁に耐えられない国情と、やはりアメリカとの直接対決を避けたい思惑があると確信している。
しかし、圧力では何も解決しないとの信念を更に強くし、北朝鮮がアメリカと中国との間で首脳会談を行うことを自分の成果とばかりに褒めちぎる人もいる。
北朝鮮の金正恩体制は、封建領主のような独裁政治であり、北朝鮮の無辜の民はその圧政に苦しんでいると思い、可及的速やかな金王朝の崩壊を願っている僕と、金正恩体制を保証することで戦争を回避するべきと主張する人(例えば青木理)などとは、不倶戴天の関係でしかない。
結局は、選挙で決着をつけるしかないのだが、例え選挙で負けようとも「民意は我にある」などと言われると、民主主義って本当にまどろっこしいと思う。