昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

性懲りもなくセクハラするヤツ

福田淳一財務次官が更迭された。

彼は、若い頃から一頭飛び抜けた存在で、次官になるべくしてなった超エリートらしい。

高偏差値集団の官僚の中でも、自他ともに認めるトップをひた走ってきたオトコにしては、更迭された理由がお粗末だ。

それまでは家族の自慢のタネだったろうに、破廉恥罪にも匹敵するセクハラ疑惑となると世間体が悪すぎる。

数学の問題を解く能力には長けていても、社会常識が欠落していたと断じざるを得ない。

 

尤も、最近になってコンプライアンス意識の向上やMe, too!運動で、セクハラは許すべからざる犯罪になっているが、20年前までは福田元次官が語った下品な話題など当たり前に横行していた。

僕の先輩にも、どうしようもないほどのセクハラ野郎がいた。

彼の場合は、相手が女性だろうが同僚だろうがお構いなく、男性器の呼称を連発し、下ネタ話に興じる。

彼は、下ネタを話し、座を盛り上げることが自分の使命と勘違いしていたようにも思える。

また同席している女性たちが、恥ずかしがったり困った顔をするのが嬉しくてたまらない。

聞く方は、「また始まった!」とウンザリしながらも、セクハラこそ命みたいに張り切る彼を見ると、敢てやめさせようともしない。

彼は定年まで自分の流儀を貫き通した、セクハラ親父だった。

 

福田元次官も、そんなノリだったのだろう。

財務省での彼の評判は、決して悪くはないらしい。

しかしあの録音を聞く限り、件のテレビ朝日女性記者だけにセクハラ発言をしたとは思い難い。

恐らくは、酒の席だけでなく、普通の話でも、福田元次官はあの程度の品の悪いネタを披露していたのだろう。

その背景には、財務省の次官ならば、あの程度の話は許されるとの思い上がりがあったに違いない。

女性が彼のセクハラ発言を、本気で嫌がっているとの創造力にも欠けていた。

 

取材をして、週刊新潮にネタを売り込んだ女性記者には、違和感を禁じ得ない。

単身で酒の席に乗り込み、口八丁手八丁の話術で、特ダネを狙う。

当然ながら福田元次官の方も、きわどい話題の端々に、女性記者が飛びつくようなネタをちりばめていただろう。

そうでなければ、四回も五回も、二人だけで食事しながら取材などするはずがない。

これで仮に、女性記者が大特ダネをモノにしていたら、彼女の中では福田元次官のセクハラ話題など帳消しになっただろう。

 

女性を武器に元次官に取材していたテレビ朝日女性記者だが、福田元次官のセクハラ発言は腹に据えかねたのだろう。

証拠の為に、密かに録音することにした。

取材の現場に、録音機を前もって準備し、持参しているのだから、彼女は福田元次官がセクハラ発言をすることを確信していたはずだ。

ここまでは理解できる。

しかし「身を守るために録音した」のは違う。

何故なら、福田元次官は彼女に肉体的危害を加えようとはしていないし、それはそれまでの取材で、彼女も分かっていたはずだ。

彼女は最初から、セクハラで福田元次官を告発しようと考えていた。

 

しかしもしもそうなら、この女性記者が最初にやるべきだったのは、取材中の福田元次官のセクハラ発言を、テレビ朝日内で問題にすることだったはずだ。

「福田氏のセクハラ発言は許容範囲を超えているので、証拠として録音する」ことを、テレビ朝日内でオーソライズするべきだった。

その上でテレビ朝日は、証拠が揃ったので財務省に抗議するなり、福田元次官の更迭を要求するべきだったのだ。

それを、事後とは言え女性記者から相談を受けると、組織防衛のためにもみ消してしまうようでは、日頃は社会の木鐸とか、権力の見張り番とか言い募っている割には、テレビ朝日は見識が低すぎる。

 

福田元次官については、成績が良いのにワルぶるのをカッコいいと思うような、昭和の時代の価値観を引きずっている時代錯誤のオッサンだ。

たまたま財務省次官にまで上り詰めてしまったので大問題になったが、現在の価値観では、決して偉くなってはいけないタイプの人間に過ぎない。

今回のセクハラ発言を聞く限り、彼の言い訳など聞くに値しない。

しかし被害者の女性記者とテレビ朝日もまた、取材の進め方や報道機関の在り方には、大いに疑問符が付く。