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暴力絶対反対への違和感、暴力はそんなにいけないの?

この処、アマチュアスポーツ界は大揉めに揉めている。
レスリングの栄本部長、日大フットボール部の内田監督、ボクシングの山根会長。
そして直近は、女子体操の塚原夫妻。
いずれも、テレビワイドショーが悪役と仕立て上げるには、ピッタリのキャラの持ち主だ。
 
尤もその中では、塚原夫婦が一番の小物のようで、形勢不利と見たのか、宮川紗枝選手に対して全面的な謝罪を表明した。
しかしボクシングの山根明元会長が完全引退して以来、ネタ不足だったマスコミは、少々謝罪したところで許してはくれない。
舞台を、か弱き善玉、宮川紗枝と速見佑斗コーチと、彼らをいじめたワルの権力者、塚原夫婦の対立に仕立て、憎ッくき塚原夫婦をああでもない、こうでもないと攻め立てている。
 
テレビのワイドショーは、基本的には宮川、速見連合軍の応援団だが、稀に中立を装ったり、またテレビ朝日宮嶋泰子のように、露骨に塚原夫婦側の意見を述べる、「奇特な」御仁もいる。
しかし肝心の塚原夫婦が坊主懺悔で謝罪したとなると、日本中を敵に回す思いっきりの逆張りで塚原夫婦を応援した宮嶋泰子の立場はなくなってしまう。
宮嶋泰子は、「宮川選手は思い込みが強い」と批判していたが、自分の方が思い込みが強かっただけになり、「早まった!」と臍をかんでいるに違いない。
中立意見の代表は、「塚原夫婦のハラスメントも問題だが、そもそもは速見コーチの暴力が原因、暴力は絶対に許してはいけない」というもので、元柔道家溝口紀子がその代表格だ。
この意見には賛同者も多く、「暴力はダメ」は絶対正義のように扱われている。
宮川-速見連合を応援する連中も、「コーチの暴力は絶対にダメだけど」と口裏を合わせる。
 
しかし臍曲がりの僕は、暴力は絶対ダメなのかな?と思っている。
 
先ず今回の速見コーチだが、ここ一年以上は暴力を伴う指導はしていないと言っている。
塚原夫婦が問題視しているのは過去の暴力であり、決して褒められた指導ではないが、今ほどは暴力にうるさくない時期があったのは事実だ。
僕は速見コーチが、他の選手がいる場所で平手打ちしたのは大変まずかったと思うが、師弟関係の中で弟子が納得しているのなら、厳しい指導もありうると思っている。
今では親が子供を叩いても、隣人が通報すればDVとして逮捕される時代だ。
しかし親としては、ワルサをした子供に、痛みを以って反省させるしつけは必要なのではないか。
 
そもそも溝口の柔道だって、暴力を伴う武術だ。
投げ飛ばしたり締めあげたり、相手を痛めつける技を仕掛けることと、速見コーチが指導の一環で、宮川選手を叩いたのと、何の違いがあるのだろう。
もしも暴力を伴う指導が絶対にダメなら、ボクシングや相撲では、選手や力士を鍛えようがない。
ボクシングでは殴り合いの練習は必須だし、相撲で思いっきり突き飛ばすのだって暴力そのものだ。
 
勿論、暴力は、決して褒められたモノではない。
日常生活では、全員が理性を以って暴力を使うことを自制している。
だから暴力反対と言えば多くの賛同を得るが、しかし暴力は怒りの感情表現の一種であり、問題解決の一手段だ。
究極の暴力は戦争になるが、単に感情的に反対を訴えても決して戦争はなくならないし、暴力が世の中から消え去ることもない。
 
暴力に反対する多くの人々でも、格闘技に熱中する。
格闘技は暴力そのものの世界だが、そこで痛めつけられた人物を見ても、誰も暴力反対とは言わない。
ならば速見コーチが愛情を持って振るった鉄拳制裁だって、そこまで悪しざまに罵られることはないと思うのだが。