今年の日本男子ゴルフツアーが終わった。
視聴率も10%に近づいたらしい。
低迷久しかった男子ツアーが、今年後半には大いに盛り上がったのは喜ばしいことだ。
いくつかの原因が考えられる。
一つに、フィッシャーマンスウィングで世界的に有名になった、崔虎星(チェ・ホソン)の登場がある。
あのようなフォームで、しかも正確無比なショットを放つゴルファーは、間違いなく空前だし、恐らくは絶後の存在だろう。
今やギャラリーにも大人気で、サインを求めるファン数も日を追うに従い増えていると言う。
しかし男子ツアー人気復活の決め手は、日本ゴルフツアー機構会長、青木功と、選手会長、石川遼の努力が大きい。
しかしその結果は惨憺たるもので、予選通過も覚束ない状況が続き、わずか三年で撤退した。
その為に本来なら立て直しのために、寸暇を惜しんで必死の練習に明け暮れなければならないはずだが、青木会長直々の指名で選手会長に就任した。
先輩の片山晋呉がスポンサーに不遜な態度をとり大問題になった時も、一早く謝罪し、解決に努力した。
青木功もまた、ほとんどの男子ツアーに出向き、スタートホールに立ち会い、ファンとの記念写真撮影に協力している。
そんな二人の地道な取り組みが、男子ツアーの充実に一役買っていることは間違いない。
組織への貢献は、必ずしもアスリートとしての実績に比例することはない。
むしろ、大局観や統率力、自己犠牲精神などのソフトスキルが重要だし、何よりも挫折を知った人間の方が、その挫折から学んだものがあるかもしれない。