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低迷続きだった国内男子ゴルフツアーだが

今年の日本男子ゴルフツアーが終わった。
終戦のJTカップでは、小平智石川遼、ハン・ジュンゴン三人のプレイオフの結果小平智が優勝したが、最終18番パー3の難しさも加わり、テレビ観戦ながら久しぶりに興奮した。
視聴率も10%に近づいたらしい。
低迷久しかった男子ツアーが、今年後半には大いに盛り上がったのは喜ばしいことだ。
 
いくつかの原因が考えられる。
一つに、フィッシャーマンスウィングで世界的に有名になった、崔虎星(チェ・ホソン)の登場がある。
あのようなフォームで、しかも正確無比なショットを放つゴルファーは、間違いなく空前だし、恐らくは絶後の存在だろう。
今やギャラリーにも大人気で、サインを求めるファン数も日を追うに従い増えていると言う。
 
しかし男子ツアー人気復活の決め手は、日本ゴルフツアー機構会長、青木功と、選手会長石川遼の努力が大きい。
石川遼は2009年最年少賞金王、その後も順調に勝ち星を延ばし、2013年から念願のアメリカツアーに挑戦した。
しかしその結果は惨憺たるもので、予選通過も覚束ない状況が続き、わずか三年で撤退した。
その間、2014年からアメリカツアーに参戦した松山英樹が先にアメリカツアーで優勝したことで、「何故自分ではなかったのか?」と、大きな挫折感を抱いたことを正直に告白している。
また今年になって、初めてアメリカツアーに挑戦した後輩、小平智が、あっさりと優勝したことも、石川遼にとっては辛い出来事に違いない。
 
そんな傷心の思いで帰国した石川遼は、アメリカ挑戦前まで敵なしだったはずの日本ツアーでも、思い通りの成績を上げてはいない。
その為に本来なら立て直しのために、寸暇を惜しんで必死の練習に明け暮れなければならないはずだが、青木会長直々の指名で選手会長に就任した。
これこそ、青木功石川遼の国内男子ツアーへの危機感の表れだ。
 
実際に選手会長としての石川遼は、ファンやスポンサーへの様々なサービス向上に取り組んでいる。
先輩の片山晋呉がスポンサーに不遜な態度をとり大問題になった時も、一早く謝罪し、解決に努力した。
青木功もまた、ほとんどの男子ツアーに出向き、スタートホールに立ち会い、ファンとの記念写真撮影に協力している。
そんな二人の地道な取り組みが、男子ツアーの充実に一役買っていることは間違いない。
多くのプロゴルファーたちも、日本ツアーの功労者、青木功石川遼が範を垂れれば、文句を言ったりシカトしたりは出来ないからだ。
 
青木功は、ゴルファーとして輝かしい実績を上げているが、ジャンボ尾崎に比べると見劣りする。
しかし海外に目を移すとその評価が正反対で、尾崎は「Ozaki, who?」でしかないが、早くからアメリカツアーに挑戦し、多くの友人知己を得た青木は、アメリカゴルフの殿堂入りまで果たしている。
石川遼は、実績は既に海外で五勝を挙げているライバル松山英樹に遥かに及ばないが、組織運営のマネージャーとしては、見事な手腕を発揮している。
 
組織への貢献は、必ずしもアスリートとしての実績に比例することはない。
むしろ、大局観や統率力、自己犠牲精神などのソフトスキルが重要だし、何よりも挫折を知った人間の方が、その挫折から学んだものがあるかもしれない。
来年は、青木功石川遼の率先垂範と同時に、お気に入りの崔虎星(チェ・ホソン)が、あの変則フォームで大活躍してくれることを願ってやまない。