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貴ノ岩暴行問題とマスコミ報道

日馬富士に暴行された被害者貴ノ岩が、今度は自分の付け人に暴行を働き、責任をとって自主的に引退した。
これを報じるマスコミは、大混乱に陥っている。
 
それまでのマスコミは、改革派、貴乃花守旧派相撲協会の対立をベースに報道してきた。
そこに「八百長の温床、モンゴル会のトップ」、「横綱としての品格がない」白鵬を絡ませて、ガチンコ相撲の貴乃花親方が相撲協会内で孤立し冷遇されていると、連日に亘って報道を繰り返した。
多くの人は、貴乃花の主張する相撲改革が何なのかも検証することもなく、貴乃花こそ正義の親方と信じ込んでいた。
暴力絶対反対を主張していたはずの貴乃花だが、自分の弟子の貴公俊が付け人に暴力を振るった時ですら、「逃げずに謝罪した」と、貴乃花を評価する論調すらあった。
貴乃花が突如相撲協会を引退する時は、「相撲協会の陰湿なイジメに耐えかねた」と、貴乃花擁護論が 圧倒的多数だった。
 
しかし今回の暴行事件は、「悲劇の被害者」貴ノ岩が、実は弱い立場の付け人に暴力を働き、更に翌日恫喝までしていたことが判明し、どうにも庇いようがない状況になった。
実はテレビではほとんど放送していなかったが、貴乃花部屋は2014年に「貴斗志強制引退問題」で裁判になっていた。
その中で貴乃花部屋の暴力の実態が明らかになり、貴ノ岩が暴力、暴行の常習犯だったのは公然の秘密だった。
が、マスコミ関係者でこれを発言したのは月刊HANADAの花田紀凱ただ一人、後は頬っ被りだった。
貴ノ岩について、貴闘力が「部屋を引き締めるために必要」と、貴乃花が半ば暴力を肯定していたことを証言している。
「暴力は許されない」などと唱えながら、貴乃花部屋では暴力が蔓延していた。
 
しかし一番の責任者、肝心の貴乃花は、相撲協会から離れてしまっている。
冷静に振り返れば、貴乃花は自分の引退を「弟子を守る為に」と美談に仕立て上げていたが、弟子を守るのなら、石に噛り付いてでも親方を続けるのが筋だろう。
一連の「貴の乱」失敗で、相撲協会で居場所がなくなった貴乃花が、嫌気がさして部屋を投げ出したと見るのが相場だ。
しかしマスコミは、今更貴乃花を悪役に仕立てることはできない。
今後も視聴率を稼ぐためには、貴乃花関連のニュースを美談に仕立て上げるしかない。
恐らくは、愚にもつかないインチキニュースが溢れかえるだろう。
 
そんな貴乃花と、奥方、河野景子との離婚が明らかになった。
原因は諸説入り乱れているが、貴乃花が奥方に対して、部屋の女将としての働きぶりに不満を持ったことと、長男を巡っての教育方針の違いが大きいようだ。
僕は貴乃花に対しては一貫して批判的な人間だが、ことこの離婚劇については貴乃花を支持する。
先ず、どう考えても相撲部屋の親方が住み込みで、女将が通ってくるなんてありえない話だ。
河野景子は、収入が覚束無い部屋を運営するためと言い訳するかもしれないが、他人の子供を預かる相撲部屋の責任者としては自覚不足だ。
更に、長男を教育方針に至っては、母親の親馬鹿振りには呆れ果てるしかない。
一流の靴職人と持て囃された長男は、実は一年半しか修業期間がない。
それを芸能人に仕立て上げ、自ら伴って挨拶回りに余念がなかったと言うのだから笑ってしまう。
貴乃花は「チャラチャラ芸能人の真似事をするより靴職人修行を」と、厳しく接していたらしい。
 
貴乃花の方が真っ当な考えなのは明らかだが、マスコミは貴乃花夫妻を「理想の夫婦」と仕立て、一途な貴乃花親方と、それを陰で支え続ける理想的女将さんと報道してきた。
今更二人は仮面夫婦で、女将さんは尻軽軽薄オンナだったなどとは言えない。
結果として二人に気を遣った報道になるので、「そんなに素晴らしい二人なのに、何故別れるのか」が全く分からない。
周囲との協調性が皆無で、次々と縁切りを繰り返してきた貴乃花だが、奥方はその彼ですら呆れるような存在だったのなら、結婚生活がうまくいくはずがない。
 
こんなマスコミを見ると、彼らが報道するニュースなど全く信用できないことが分かる。
彼らは視聴率が獲れるなら、新聞雑誌が売れるなら、真実などどうでも良いのだ。
そんな思いで、マスコミに対しては徹底的に批判的な視点を持つべきだ。