昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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中古パソコン狂騒曲

昔は海外に出かける時には、必ずB5サイズパソコンを持参していた。
ところがこのパソコンは、OSをWindows10にアップグレードした途端、動きがぐっと遅くなった。
ついには立上るまで5分以上もかかるようになったので、近所のパソコンショップで修理を依頼したが、店員は一目見るなり、「無理です!」と断言。
「Why?」と食い下がる当方に、「このパソコンの部品がありません」とにべもない返事の後、説教トーンに変わり、「このパソコンの元々のOSはXP、それが10に代わっているのでパソコンの負担になっている」らしい。
結論は、「今後立上りは遅くなることはあっても、絶対に早くならない」と取り付く島がない。
長年連れ添い、苦楽を共にしてきた可愛いパソコンだが、どうやらお別れの時が来たと諦めた。

その後は、モバイル代替はスマホで充分と考え、家のノートパソコンとの二頭体制で半年が過ぎた。
ところが、年老いた身には、スマホでは画面が小さく扱いにくい。
カンボジアに旅行した時も、急な用事をこなす時パソコンがあればと思い悩んだ。
そこで帰国後、最近始めたメルカリで調べると、多くの中古モバイルパソコンが驚く程の安値で出品されている。
中でも「Windows10搭載、CPU4GB、Wi-Fi好調」との説明がついたヤツが一番と狙いを定め、助平心で価格協力をお願いしたところ、快く応諾の返事。
あっという間に、新しいパソコン購入となった。

三日後に商品到着、勇んでWi-Fiにつなぐも、全く反応しない。
何度トライしてもWi-Fiのマークすら出てこないので、前所有者に連絡を取ると、「出荷前に確認済で、インターネットにはサクサク繋がっていた」と言う。
ならばとプロバイダに電話、担当者が二時間かけて修理した結果、「残念ながらハードに問題あり」となった。
続いてパソコンメーカーに電話するも、「製造中止以降五年以上経過した商品は前払いの有料相談」と実に冷たいが、それでも修理しないと宝の持ち腐れになる。
色々と症状を訴えた挙句のここでの結論は、「やはりハードの故障で、修理不可能」と、万策尽きてしまった。

ところが、「捨てる神あれば拾う神あり」で、前所有者から「Wi-Fiアダプターなら千円程度で売っている」との情報があった。
千円ならダメ元と、藁にもすがる思いで家電ショップに行き、一番安い9百円のアダプターを購入。
帰宅後早速付属のCDでインストールしたが、今度は手順最初のドライバーソフトがインストールできない。
説明書には、ソフトをインストールするまではアダプターを挿入しないようにと注意書きがある。
もう一度量販店に出向き窮状を訴えると、店員が説明書の手順を無視していきなりアダプターをゴリゴリと装着。
その強引さはまるで新井浩文容疑者並みだが、するとアラ不思議、インターネットにつながってしまった。

苦戦すること、丸二日。
あの苦労はいったい何だったのかと思わせるほど、強引なやり方だったが、とにかくいとも簡単に解決した。
アダプターは本体から5ミリほど出ばっていて、さほど気になるレベルではないが、それでも持運びには邪魔だ。
さりとて、あれほど苦心惨憺の結果、やっとインターネットにつながったので、引っこ抜くのが怖い。
何せドライバーソフトが未インストールの、手順書一切無視で繋がっているのだから不安感がぬぐえない。
そこでもう一度、量販店に電話して事情を説明すると、「最近のアダプターは、挿入された時点で自分からソフトを探すので多分大丈夫でしょう」と、全く非論理的且つ超楽観的だ。

しかし、たかが9百円の部品に、そんな器用な機能がついているのだろうか?
メーカーのホームページからもソフトインストールは可能だが、その場合アダプターはつけたままでなければ、インターネットにつながらないので、もちろんホームページが開けない。
しかし説明書には、アダプター装着はドライバーソフトのインストール後と書いてある。
深い悩みと不安が続いていたが、元をただせば安パソコンなので、思い切ってメーカーのホームページ経由でドライバーソフトをインストールすることにした。
案ずるより産むは易しで、ドライバーソフトのアイコンがデスクトップに現れ、インターネットも機能している。
やれやれと安心してネット接続を確認すると、何とわずか一時間前までは、まったく役立たずだったパソコンのWi-Fi機能まで復活している。

機械音痴の老人には擦った揉んだの大騒ぎだったが、わずか9百円の投資で中古パソコンが救われたと前向きに考えることにした。