昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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「命懸け」のゴルフ開眼録

いやぁ、大変なことになった。
ひょっとしたら、死ぬかもしれない。
実は二年前に、後頭部、首にできたおできの大型のヤツの除去手術をした。
二泊三日の入院だったが、医者からは「おできの要素は完全に取り除いた」と言われて安心していたが、一年ほど前から手術跡に違和感が発生してきた。
それでも別段痛くもないので、ほったらかしにしていたが、数日前から首の皮がひきつるような痛みが出てきた。
手術跡は腫れ上がっており、その周辺を押えると、飛び上るほど痛い。
妻からは、「早く病院に行かないと、化膿した患部が破裂して、膿が全身に回るかもしれない」と脅される。
間の悪いことに、こんな時に限って忙しくて、診察に行く時間が取れない。
首が痛いと、一日中憂鬱だ。
寝ていても、枕で首が伸びると痛い。
よってなかなか眠りにつけないし、たとえ眠っても寝返りを打つと痛みが走るので、眠りが浅い。
大変困った事になっている。

そんな土曜日の朝、例によって首の痛さで午前3時半には目が覚めてしまった。
テレビを見ながら布団の中でゴロゴロしていると、何かの拍子に首筋に鈍痛が走るので、おちおち寝ていられない。
仕方がないので、早朝から起き出してしまった。
先ず、天気予報を見る。
関東地方は曇天微風の予想、将にゴルフ日和だ。
また河川敷のコースからは、誕生月に付き、プレイ費がタダの招待状が来ている。
体調はゴルフどころではないので、悩みに悩んだが、来週病院に行けば、即入院、当分はゴルフ禁止令が出るかもしれない。
ひょっとしたら、これが最後のゴルフになるかもしれないと悲壮感に駆られてしまった。
そんな切羽詰まった決意でゴルフ場に向かうと、そこには早朝からゴルフしか趣味のないような年寄り連中が屯している。

そんな一人一人に、「斯く斯く然々、今生の別れの積りで皆さんとご一緒します」と挨拶するが、こちらの真剣さが全く伝わらない。
「大丈夫だよ」と励ますのはいい方で、ワルどもは「ゴルフをやったら、すぐに治るよ」と、全く根拠もない与太話で冷かしてくる。
こんな連中なので気が置けないのだが、やはり最後まで完走できるかの不安が大きい。
幸いにして、この季節にしては気温が上がらず、給水にさえ気を付けていれば何とかなりそうだ。
そんな謙虚な思いでスタートした所為か、ドライバーもアイアンもソコソコの当たりが続き、アウトのハーフ6番までは2オーバー。
久しぶりに30台と思った途端、アプローチに失敗してダボ、ボギー、ダボとなりスコアは43。
インに回ると、係の姉さんが「スループレイができる」と言うので、すぐにティーアップ
いきなりドラがチョロだったが、残り190ヤードをユーティティで2オンのパー。
この頃から青空が見え始め、太陽光線がきつくなると共に、ラフが伸びる。
セルフでカートを押しているといつになく重く感じて、だんだんスタミナが切れてくる。
しかしそんな後半は、3ボギーだけの39、合計82でホールアウト。
今年一番のスコアになった。

特に、最近悩み続けてきたシャンクが一度も出なかった。
今までは、フルショットではないSWのアプローチでは、半分くらいの確率でシャンクしていた。
その結果、スコアは乱れるし、やる気はなくなってくる。
ところが今回は、アプローチが直接カップインしたり、カップに近づいたり、ほぼイメージ通りの球筋がでたので、どうやら宿痾のシャンク病から解放されたとの確信が持てた。
もはや思い残すことはない。
もうハーフ行きたがる仲間に、「病魔に侵されている身なので、1ラウンドで終り!」と強制終了。
風呂に入って、帰路に就く。

体調は、決して思わしくない。
特に首筋のトラブルは、下手をすると取り返しがつかない事態に陥るかも知れない不安がある。
そんな満身創痍の身の上なのに、ゴルフの結果に一喜一憂している。
我ながら能天気な性格だが、深刻に考えても結果は変わらない。
それよりも、プレイの途中で、ドライバー、スプーンクリークのグリップがへたっていることを発見し、帰宅後すぐに二木ゴルフに直行、大枚を叩いて修理した。
これで天気さえよければ、来週のゴルフで、開眼したアプローチを再確認する。
ゴルフでも人生でも、どんな時でも前向きに!
そう思って、憂鬱さを吹き飛ばしている。