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飛距離アイアンっておかしいゾ!

最近、上田桃子が出演しているテレビコマーシャルで、「7番アイアンで180ヤード」の新アイアンクラブが紹介されていた。
現役バリバリのプロゴルファーが、「ヤバイ!」とか、「凄い!」とか驚く飛距離が強調されていた。
僕は、ただでさえ新商品に弱い。
更に、ゴルフの飛距離に関しては、誰よりも強い関心がある。
そんなアマチュアゴルファーの権化のような僕にとっては、とてつもなく魅力的なコマーシャルだ。
 
早速ネットで、このクラブについて調べてみた。
すると、実際に使用した誰もが、それまでとは桁違いな飛距離を絶賛している。
悪いことに郵便受けに、近所のゴルフショップでこのアイアンの特集を組んでいるチラシが入っていた。
これは買うしかない!
そう思って価格を見ると、いずれも10万円を遥かにオーバーしている。
最近物入りだったために、予算の問題があり、流石にこの価格ではと躊躇してしまった。
 
後日たまたま別のゴルフ番組の「今評判のクラブ紹介」コーナーで、このアイアンの試打の様子を放送していた。
すると飛距離アイアンは、このメーカーだけでなく、他社も販売していることが分かった。
お笑いタレントが試打してみると、どのメーカーのクラブも実際に飛距離は出るようだ。
しかしこの番組では、突然飛距離が出るようになった、この種のアイアンの謎解きもやっていた。
確かにソール幅やヘッド形状にも工夫はあるが、実は最大のポイントはロフトが立っているのだ。
 
これは詐欺ではないか!
 
もう20年近く前になるが、某クラブメーカーが+2(プラスツー)と称するアイアンクラブを売出したことがある。
要は「5番アイアンのロフト角度の7番アイアン」、極論すると5番アイアンを7番と称しているだけのアイアンだ。
これは何を目的にしているのか?
他人が5番アイアンを使う時に、自分は「7番!」と言えば、飛ばし屋と見られカッコいい。
そんなゴルファーの、見栄に付け込んだだけの、敢て言えばインチキアイアンに過ぎない。
そんな実態がバレて、このクラブはすぐに人気がなくなって廃番になった。
 
この日紹介されていた三種類のアイアンも、全部こんなコンセプトの焼き直し商品でしかない。
 
ゴルフのクラブには、わずかにドライバーの体積規制とアイアンの溝規制があるくらいで、雁字搦めのルールは適用されていない。
アイアンに至ってはロフト角度はメーカーの拠ってバラバラだし、同じメーカーでも統一されていない。
そんな大らかさは、ゴルファーやメーカーの良心に任されている所為だろう。
本来のゴルフは紳士のスポーツであり、エチケットとマナーが最優先されるはずだ。
まさか、ルールに書いてないからと言って、5番アイアンなのに7番として売り出すなどとは思っていもいなかっただろう。
しかしメーカーが率先して、「少しでも飛ばしたい」ゴルファーの切実な思いに付け込む羊頭狗肉な商法を実践するのは、全く持って理解に苦しむ。
 
とは言え、「7番で180ヤード!」は、何と魅力的なキャッチフレーズだろう。
やはり「金を貯めて、買ってみようかな?????」と、優柔不断な思いに駆られる。