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中西スコア改竄事件の後始末

ゴルファーとしての最大の破廉恥罪を仕出かした中西への処分が確定した。
五年間の出場停止を軽いと見るか、重いと見るか評価は分かれている。
軽いと見る人は、「とにかくゴルファー失格なのだから永久追放が妥当」と主張、一方、重いと見る人は、「若さゆえの過ちであり、且つ初犯。今からの五年間出場できないのはゴルファーとしては致命的」と同情している。

僕は、スコア改竄が発覚した時点で中西はゴルフをやめるべきだと思っている。
他にも多くの人がやっているとか、ライを改善したりボールを動かしたりのインチキがあるとかの意見があるようだが、それと実際にスコアを改竄した事が発覚した事は別問題である。
他もやっているからと言って、彼の行為が免罪されるものではない。
彼は、自分が審判であるスポーツであるゴルフでやってはいけない事をやってしまったのだから、一切同情の余地はない。

様々な意見の中で、「自分もやっているのに、中西を声高に非難する連中がいる」等もあったが、少なくとも僕が知る限り意識的にスコア改竄したり、ライを改善したり、果てはボールを動かしたりのインチキをする人間は少数派である。
また、ゴルフではあれだけ広い場所なので、一見気づかれていないと勘違いするかもしれないが、実は結構他人から自分のプレイを見られているものだ。
そして一回でもインチキをすると、その人の信用は根底から崩れてしまう。

僕自身は、今迄35年近くゴルフをやってきたが、スコアを誤申告したのは二度しかない。
二度とも、重度の二日酔いでプレイした同じ日に仕出かしたものだが、ショットが乱れに乱れ、スコアを数える余裕がなく、キャディに「今、何打目?」と確認しながらのプレイで、彼女に言われたまま申告したのだが、同伴競技者の取引先の社長に間違いを指摘された。
10年近く経った今でも思い出すと痛恨の極みで、社長に会う度に「申し訳ありませんでした」と謝り続けている。

故意ではなくとも、誤申告はかくも心に傷を負う程に反省するものなので、それ以降は従来にもまして慎重にスコアを記憶するように務めている。
また、他人の誤申告に気づいた場合は、「ここで指摘した方が将来の為になる」との思いから、心を鬼にして必ず指摘するように心がけている。
普通のゴルファーはよほどの混乱がない限り誤申告などしない物だが、今回の中西は、トイレに鉛筆と消しゴムを持込んでの改竄だから弁解の余地などありえない。

彼の誤申告を指摘したゴルファーについては情報が漏れてこない。
おそらくこれほどの大事件になると分かっていたわけでなく、ゴルファーとして当然の行動をとっただけだが、一人の青年の将来を大きく変えてしまった事になり、悩んでいるのではないかと同情している。
しかし、悪いのは彼ではなく、あるまじきスコア改竄を仕出かした中西なのだから堂々としていれば良い。
今回の事件で、ゴルフと言うスポーツには自分が自分を裁くとの独特の倫理観がある事を多くの人が再認識した。
それだけでも、中西の誤申告を指摘したプロゴルファーの行為は大きな意味があった。

僕は、名前を知らないこのゴルファーの行動を全面的に支持する。