参議院選挙を前に、安倍政権がピンチを迎えている。
社会保険庁の年金問題は底なし沼状況、出口が全く見えない。
安倍首相は、成算もないのに、今年度中に年金納入者を全部チェックすると宣言した。
しかし、単に年金の記載漏れだけでなく、社会保険庁の使い込みまであるといわれている事件である。
調べれば調べるほど、どうしようもない実態が暴かれるに違いない。
更に、政治家をめぐる事務所経費、政治とカネ問題では、佐田行政改革担当大臣が辞任。
続いて、松岡農相は自殺。
後任の赤城徳彦農相も、事務所経費問題が発生してしまった。
「金額が十年分だから大きく見える」と言い訳していたが、おおよそ1億円近い税金がねこババされた可能性がある事件である。
ただ事で済むわけがない。
安倍首相は、「本人が説明責任を果たした」と言い切っていたが、証拠となる領収書など出せるはずがない。
これは、誰がどう見ても、あきらかに架空事務所による経費詐取である。
安倍首相は、本来なら不祥事を起こした大臣を直ちに罷免すべきだ。
任命権者としての責任はあるものの、その方が有権者の支持を得やすい。
しかし安倍首相は、任命大臣が不祥事を起こすたびに、必死になってかばい続ける。
その度に、事態が悪化し、抜き差しならない状態となってしまう。
今回だって、赤城農相の説明を真に受けて「実家が事務所として機能していたはず」とかばってしまった。
しかし、今後あらゆるマスコミが徹底的に調査すれば、実家にはほとんど人の行き来がなかった実態が明白になってしまう。
安倍首相の大臣選定基準は、能力云々よりも、どうも自分が好きか否かで決めているのではないだろうか。
だから、不適切を分かっても果断な処置ができない。
また、得意なはずのパフォーマンスも陰りが見えている。
選挙前なので、党首としてマスコミに登場する事が増える。
前回の小沢との党首討論では、民主党の政策の具体性のなさを指摘し、圧勝したと伝えられた。
味をしめたのか、今日のテレビ討論では、得意げにあらゆる数字を羅列していた。
しかしその中味は、質問をはぐらかす目くらましでしかない。
「消費税を上げないとは言っていない」発言の真意を問われても、抽象的な回答しかできない。
若きタカ派リーダーとして、世界に対して日本を主張する事を期待された安倍首相。
しかし、この一年間で、頭の悪さと頑固さだけが目立ってしまい、すっかり馬脚を現してしまった。