昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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オイオイ安倍さん、それはないだろう!

びっくりしたなぁ。安倍首相の辞意表明。
参議院選挙大敗北の後、あれだけ袋叩きに合いながらも続投を表明した安倍首相が、改造人事の組閣後わずか二週間、外遊から帰国後に招集された国会で所信表明、いよいよ代表質問の直前に、全く突然辞意を表明したものだが、こんなのは前代未聞。
僕自身はこのブログで、安倍首相に何度も何度も潔い身の処し方を主張してきたが、こんなやり方では誰もが無責任に政権を投げ出したと見てしまう。
会見の中身もいただけない。
「目を潤ませながら」は無念さをあらわしたと思えば許容範囲かもしれないが、「自分の存在がマイナス」とか、「自分には求心力がない」とか、果ては、「党首会談を断られた」と言い出したら、これはまるで欲しいものを貰えなかった駄々っ子の論理でしかない。

安倍首相を必死にサポートしてきた人達ですら、さすがにこの無責任さには開いた口が塞がらないようだ。
産経新聞は、安倍首相がシドニーで発表した「職を賭して」発言を、祖父岸信介を例に、「日米安保成立で安全保障体制確立を置き土産に首相を辞任したDNAが安倍首相にも流れている」と持ち上げてきたが、今回の辞任劇で全てがパーになってしまった。
評論家の田勢康弘は、「安倍首相の職を賭して発言は、良く練られた乾坤一擲の勝負手」と、これまた安倍首相を過大評価していたが、辞任発表後は、「こんな人が日本の総理大臣だったなんて情けない」と吐き捨てた。
辞任の理由に、健康不安や、自らに降りかかる「カネと政治」疑惑が浮上しているが、こんなアホな行動をとってしまったら、もはや政治家安倍晋三の将来は壊滅的な打撃を受けてしまう。

安倍首相は、初の戦後生まれ首相だけでなく、日本の政治史で初めて憲法改正を正面から掲げた首相だった。
この方針に、産経、読売の両紙は大賛成、朝日と毎日は大反対と、両方から侃々諤々の議論が飛び出し、それはそれで大いに意味があった。
しかし、保守派期待のプリンスは、自らの政治信念を押し殺し、靖国神社参拝をやめ、中国と韓国に擦り寄ってまで政権浮揚と自らの理念の実現に腐心してきたが、最後の最後にこれほど無様な姿を晒してしまえば、今後当分の間は憲法改正が政治課題に上ることはないだろう。

だから言わない事じゃない。
参議院選挙の責任を取って辞任しておけば、捲土重来があったはずなのに。
引き際の大事さ、決断の重要さ、リーダーとは何かを改めて考えさせられた無責任首相の辞任劇だった。