昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ゴルファーの品性、品格

不調からの脱出を目論み、指の痛さも厭わずゴルフに出かけた。
同伴の皆さんには予め、「左手に故障が発生して、暫くゴルフを控えてきました。拠って本日はご迷惑をお掛けするかもしれません」と丁寧に、且つ用心深く挨拶をしておく。
ところが、不安いっぱいの第一打が大ナイスショット。
1万円で買い込んだアイアンも、初めて手にする割にはソコソコで、1番ホールをパーで発進。

順風のスタートだったが、二番ホールで事件が発生。
まるで逆光の中、当方、オナーで放ったドライバーが、またも大ナイスショット。
他の三人はチョロ、林の中のミスショット。
当方、悠然とフェアウェイを歩いていくと、死角に入っていた前の組があまり進んでいない事を発見。
そこに後ろから、林から脱出したショットが大当たりで、前の組へ打ち込んでしまった。
他の二人も、臨戦態勢に入っているので、大慌てでストップをかけた。
更に前の組がホールアウト後、件の「林から脱出」さんは、アプローチが大トップ。
運悪く、前の組がいるティーグラウンド近くに打ち込む。
慌てて走っていくと、プリプリに怒っている。
聞くと、何と当方のドライバーも打ち込んでいた由。
一ホールで二回半も打ち込まれたのだから、その怒り加減も半端ではない。
当方は、ひたすら恐縮するだけ、
特に、当方のドラは、打ちこんだ事すら分からなかったので、謝罪が遅れてしまった。
それも併せて謝るが、その中の一人は怒りが治まらない。
「君ィ、僕は40年間ここのメンバー、僕はここの役員だよ。君の事はフェローシップ委員会に報告するから」と、口を尖らせる。
ついでにキャディにも「君も君だ!」と怒りの矛先が向かう。
全面的に当方が悪いのだから、「イヤァ、仰せの通りで」と頭を下げ続けていると、その中の一人は気の毒と思ったのだろう。
「マァあまり気にせず、今日のゴルフを楽しんでください」と、肩を叩いてくれたが、役員さんの方は、いつまでもテンションが高い。

前の組が離れると、我が組の打ちこみ連中も、役員さんのあまりの剣幕に不満を漏らし始める。
「あの言い方はないよ」から始まり、「あれはサラリーマンではない。お役人様に違いない」とか、果ては「プレイが遅いから」とか、責任転嫁をしてしまう。
当方は加害者の一人なので、何とも居場所がない。
確かに、ゴルフでの打ち込みは厳禁行為だ。
細心の注意を払うべきなのに、逆光とは言え、頭上を遥かに超えたらしいから言い訳は利かない。
しかし、注意の仕方も、あまり感情的になると大人気ない。
役員である事を誇示し、査問にかけると恫喝するのも如何なものか。
キャディマスターにも謝罪しておいたが、流石に客商売だけあって、「怪我がなくて良かったですね」が第一声だった。

「絶対に許さんぞ」と凄む役員さん、「ゴルフを楽しんで」と慰めてくれたゴルファー、打ちこんでも前の組のスロープレイの所為にするゴルファー、最初に怪我を心配したキャディマスター。
こんな所にも、ゴルファーとしても人間としても、品性、品格が表れるものだ。
当方は気が小さい所為か、どうしても一日中楽しいゴルフにはならなかった。