昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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「ゴルフは歩き」の勧め

最近では、カート常設のゴルフ場が増えている。
とりわけ猛暑の夏は、体力を消耗するだけでなく、熱射病で命の危険すらあるので、カートはコースの必須アイテムと思われている。
当方も、かなり年老いた大事な顧客とのゴルフでは、気を利かせてカートを手配したりするが、自分自身では、基本的なゴルフ哲学として、いかなる条件下でも「歩け、歩け」に徹している。

ゴルフの所要時間はハーフ2時間が通り相場だが、そのうちの95%は歩いているか、待っているかで、実際に肉体を駆使する運動時間は極めて少ない。
中でも、移動に要する時間が一番多くて、恐らくは歩く事だけで、ハーフ1時間以上を費やしているものと思われる。
そしてこれこそ、ゴルフの醍醐味を味わえる至福の時だと考えている。

「グッショー!」の後は、その手応えと余韻に浸りながら。
「アチャー、ミスショット!」の後は、その反省、原因究明、そしてアッという間の開眼に至りながら。
歩く事で、ゴルフの楽しみも、苦しみも、体に覚え込ませる。
歩いていると、そんなゴルファー冥利に尽きない時間を過ごしているような気がする。

カートとなると、こうは行かない。
いつも四人一組での乗車なので、世間話が最優先になり、自分の世界だけでゴルフにのめり込んだりしていると、付き合いが悪い変わり者扱いされる。
何より、次の場所に到達するまでの時間が短過ぎる。
ゴルフは、プレイの最中に降り注ぐ様々な問題について、その対策を考えている時間が多い。
ナイスショットの高揚感を長く味わいたくて内心ニンマリの時も、逆にヘボショットから立ち直る為にささくれ立った心を癒す為にも、次の目的地に到達するまでの時間こそ、最良の栄養剤、治療薬に違いない。

ゴルフ練習場では、たいていの人が小さいクラブからスタートし、最後にドライバーを振り回して終わる。
しかし実戦ゴルフでは、このような事は絶対に起きない。
むしろまるで逆で、ドライバーから始まり、だんだん小さいクラブ使用に移り、最後のアプローチがSW、PWになる。
試しに練習場で、ドライバーの後、いきなりアイアンを振ってみると良く分かる。
まずは、上手くいくものではない。
大きいクラブと小さいクラブでは、使用筋肉も気合や意気込みも違うので、次の地点まで歩く事で、自動的に体と心を新しいクラブバージョンに置換する作業がなされているような気がする。

ゴルフ歴だけは40年を超えた、超ベテランアマチュアゴルファーは、「ゴルフとは、ショットと、歩きと、その間の間(マ)を楽しむ遊び」だと思っている。
歩くだけでスコアが良くなる事は、保証の限りではない。
しかし歩けば、その副産物として、ゴルフ場の自然を楽しめる事は間違いない。
コース内の四季折々の変化にも目敏くなるし、何よりも遠くを見ることで目の保養にもなる。
適度な疲労が、その日の快眠にもつながり、健康増進にもなる。

当方、理性的性格ゆえに、小宮山禁煙ババァの如くに、自分が正義だと言い募るものではなく、自分の価値観を他人様に押し付ける積りも毛頭ない。
しかし歩き慣れると、半日程度のゴルフなど苦にもならないどころか、数倍楽しくなるような気がする。
よって、「ゴルフは歩き」をお勧めする次第です。