昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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飛ぶアイアンに魅せられて

ゴルフの場合は、遠くに飛ばす事だけが重要な能力ではない。
むしろスコアメイキングには、正確な距離感が要求される。
ドライバーだけは制限無しで飛ぶ方が有利と言われるが、それは次のショットでより短いアイアンを使えるからなので、これもやはりゴルフにはショットの正確性が求められている証左だ。

一口に「ナイスショット!」と言っても、ドライバーの落下地点は前後左右にかなりの許容範囲があるのに比べ、アイアンは、出来ればピンの周辺、悪くてもグリーンの幅までに狭まる。
パターに至っては、カップの幅しか許されない。
ゴルフは、次第に焦点を絞り込むスポーツだ。

だからアイアンで飛距離を求めるのは愚の骨頂、飛距離が欲しければ、アイアンの番手をあげていけばいいだけの話。

と、分かっていても、我々素人はアイアンでも飛距離に拘る。
何より、同じ距離を他人よりも大きい数字のアイアン番手で打てば、何とも優越感に浸る事が出来る。
アイアンでグリーンをオーバーするのはミスショットであり、思いもかけないトラブルを招きかねないはずだが、仕出かした側は不思議な満足感や高揚感を持っている。
「9番で150ヤードも飛ぶなんておかしいなァ」なんて、絶対に反省や後悔の台詞ではない。
ゴルファーにとって、アイアンの飛距離もまたドライバーと一緒で、自慢のタネなのだ。

そんなゴルファー心理につけ込んだアイアンが作られ、売られる。
そして当方、そんな見え見えの商魂に見事に乗せられ、ついに長年愛用してきたアイアンに別れを告げる事になった。
当方、キャロウェイのホークアイこそ究極のアイアンと堅く信じ込み、発売直後から愛用してきた。
使用歴は、恐らく15年程にもなるだろう。

ところが、心変わり、浮気のムシが、旅先の台湾でゴルフをした時に起きてしまった。
クラブは現地日本人駐在員がダイワONOFFを用意してくれたが、このアイアンの距離がイメージよりも飛び過ぎる。
悉くグリーンをオーバーするので、スコアが全くまとまらない。
散々な結果となったのだが、それはクラブに慣れていないからと勝手に解釈。
それよりも飛距離の出るクラブに興味を持ち、帰国後すぐに同じONOFFアイアンを購入してしまった。
実戦に使ってみると、確かに一番手余計に飛ぶ。
ランニングアプローチまで飛距離が出る。
改めてそれまでのホークアイと比べると、何の事はない、ロフトがワンクラブ分立っている事が判明した。

これじゃ飛距離が出るはずだし、「看板に偽りあり」に近い。
尤もアイアンのロフトに共通規格があるわけでもないらしいので、違法行為ではないだろうが、釈然としないし、あまり褒められたクラブ設計思想ではない。
そこまで思うのならそんなクラブは買わなければいいのだが、結局はクラブメーカーの餌食になる。

見栄や外聞の為なら、まるで不必要な大枚をはたく。
我ながら、素人ゴルファーは浅はかさで欲が深いものだ。