昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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なんてこったい!

7月5日、一年ぶりで中国出張となった。
目的地は大連。
一年前に空港でひっくり返り、大騒ぎを仕出かした場所だ。
朝のNHK天気予報を見ると、九州に大雨を降らしている梅雨前線が、遥か朝鮮半島を横切り、中国東北部にも懸かっている。
何となく悪い予感、胸騒ぎがする。
それでも今回は、翌日に大連でのゴルフが計画されている。
好敵手との対戦なので、国内からゴルフクラブ持参。
早朝の電車に、着替えで一杯のキャリングケースとゴルフのキャディバッグを持ち込むと、周囲の客からは一斉に非難の視線が集中してくる。
誠に居心地が悪い。

2時間前には空港に到着する必要があるので、出発時間の午前9時35分は、海外への出立便にしては些か早めだ。
いつもは両替などしないが、今回は大量に人民元を購入、ゴルフで少々負けても対応できるよう準備万端でJAL機に乗り込む。
ビジネスクラスには、乗客がわずか10人程しかいないので、スッチーが親切に「どこでもお好きな場所にお座りください」と声をかけてきた。
ならばと、いつもは通路側の席にしか座らないが、今回は珍しく窓側の席に陣取る。
飛行時間は約3時間。
定刻に出発、途中雨雲の所為でシートベルト着用サインが度々点燈するが、それでも予定通りに目的地を目指す。
「これから10分後に大連空港に着陸します。全ての電子機器の電源を切り、ご使用のリクライニングシート、フットレストを元の位置にお戻しください」と、慇懃なスッチーの機内放送が終わってまもなく、突然飛行機が再上昇を始めた。
すは一大事、何が起きた!
10分間程上昇後、機長から「空港が悪天候なので着陸できない、このまま30分空中待機しても天候が回復しなければ、一旦仁川空港に引き返す」とアナウンスがあり吃驚仰天。
確かに窓外には、重そうに厚い雨雲がベッタリと貼りついている。
そして案の定30分も経たないのに、「この機は韓国仁川空港を目指すことになりました」との最終決定が告げられた。
こうなると必ず血相を変えて「困るよ!仁川の後は、もう一度大連を目指すべき」とスッチーに詰め寄る人がでてくるが、あっさりと「ダメでしょう。成田に戻ることになると思います」とは場馴れしたモノだ。
何の因果かもと来たルートで振り出しに戻るとは、ゴルフを楽しみにしていた当方、残念至極の思いに駆られ、パラシュートでもあれば飛び降りたくなった。

1時間ほど掛かって仁川空港に着陸。
直ちに大連空港で待ち合わせていた顧客に電話をすると、彼が利用したANAも大連空港には降りられず、遥か離れた瀋陽空港に着陸したので、バスで大連に向かうとの事。
日本に戻るのと、まるで場違いな場所に連れて行かれるのでは、どっちがラッキーなのか微妙な所だ。
相談の結果、事情が事情だけに、今回の中国での商談とゴルフは中止。
機内に閉じ込められること8時間、帰りの飛行機では、役所広司主演の映画「わが母の記」を見ていたら、最後のクライマックスで時間切れ。
テレビの宣伝で見た、母親の愛情を知った主人公が大泣きするシーンの直前で「はい、おしまい」となった。

成田空港に戻ったのが夕方の5時半。
再入国手続きになると思いきや、パスポート押された印は「出国中止」。
大事なパスポートが穢れたようで、全く面白くない。
まるで意味の無い、飛行機に乗り続けた一日でした。
大連は、どうも縁起が悪い。