昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ゴルフの「戦略的」再構築

社内に「戦略」大好き人間がいる。
何にでも「戦略は」と、大袈裟に話す。
そのうちに、たかが昼飯を食べるのも、「今日のランチ戦略は」などと言い出すかもしれない。

軍隊、会社経営やマーケティングの世界で、戦略と言えば最上位のコンセプトなので、そう簡単に使う用語ではないはずだ。
戦略から派生する戦術だって、簡単に出来上がるものではない。
戦略が固まり、戦術まで確立できれば、ビジネスは百戦百勝。
ノウハウブックにはそう書いてあるし、戦略、戦術さえ間違えなければ会社が安泰と信じている経営者も多い。
ひねくれモノの僕は、他社だって同じことを考えているのだから、「成功した(儲かった)会社の戦略、戦術が正しかった」と、結果で解説、評論しているだけと思っているが、世の中には自社のオリジナル戦略立案が重要と、かなりの時間と費用をかける例も少なくない。

僕も未だ現役サラリーマンで事業に関わっているので、その戦略を考え出すことを強制される。
やむを得ず、適当な言葉遊びでチャチャと済ますが、この辺で件の戦略大好き親父の振る舞いが大いに参考になる。
どんなに下らないことだって、尤もらしく「戦略」と名付ければ有難味が増す。
「戦略的発想での市場調査」とか、「有力顧客との戦略的連携」とかは、何のことやらわからない。
「戦略的な価格政策」に至っては、単なる安売りを如何にも重々しく言い換えているにすぎない。

その例に倣って、我がゴルフ道を「戦略的」に再構築しようと思い立った。
数年前は、ゴルフへの必死さがあった。
シングルハンディキャップを目標に、真面目に月例に参加。
まさに還暦を迎えるその月に、首尾よくその目標を達成、更に半年後にはハンディ8にまで上り詰めた。
今にして思えば、その時が我がゴルフ人生のピークだった。
その後は、腕前も意欲もひたすら凋落の一途。
終身名誉シングルハンディキャッププレイヤーのはずが、我がホームコースのハンディキャップ委員長が交代、意欲的に制度改定に乗り出したために、昨年は10に、そして今月には「貴殿のハンディを12に改定」と、往復はがきで通告された。
無論、拒否することが出来る。
シングルハンディがステータスと思う人は、返信はがきを出さなければ名誉を守り抜くことが出来る。
しかし僕は、そんな見栄や衒いはない。
それが自分の実力を受け止め、結婚式の招待状のように「喜んでお受けします」と送り返した。
その結果、3月からはハンディ12のプレイヤーに格下けされる。

これが、我がゴルフ道再構築の「戦略的」出発点。
そしてこれを改善しようなどの、大それた望みは「戦略的」に放棄する。
ハンディなんて、いただいた数値で結構。
寒い時、暑い時には御免蒙り、春、麗らかな時、秋の過ごしやすい時に限定して「戦略的」にプレイする。
アスリートゴルフにさようなら、今からの楽しみは、「戦略的」クラブ選びと、健康のための18ホールの「戦略的」完走。
これこそが、年相応の「戦略的」ゴルフの楽しみ方に違いない。
戦略って、楽でいいなぁ。