昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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復活はパターから

早朝、布団から抜け出すのが苦痛だ。
悩みが多い仕事の場合は況やおや、楽しいだけのはずのゴルフでも「こんなに寒いのなら寝ていた方がイイヤ」とズルを決め込む日が続いていた。

そんな、相も変わらず冷え込んだ昨日土曜日、珍しく意欲満々で起き出した。
これは先週に、この三月で仕事を止める事をディスクローズした事が原因だろう。
本人としてはもっと早いタイミングを希望していたが、なんだかんだと理由を述べられ、たかが一老人の引退発表なのに、数日前まで待たされた。
もうとっくに仕事を辞める決心をしているのに、それを隠して同僚や顧客に遇い続けるのは心苦しい。
また本人は無意識なのだが、いつの間にか判断基準が無責任になっている事にも気づいた。
そんな鬱屈した気分の時期が終わったので、精神的にも晴れ晴れとした思いになっている。
その所為か久しぶりに充実した休日となり、心置きなくゴルフを楽しもうと気持ちになったようだ。

天気予報は「午後からは花見の季節のような陽気」と、文句のつけようがない。
ところがそんな天候に誘われたのか、メンバーが大挙して押しかけて来たらしい。
突然館内放送で、キャディマスター室に呼び出された。
「本日はメンバータイムが大変込み合っています。申し訳ありませんが、メンバーの△△様の組が三名なので、そちらでのプレイのお願いできませんでしょうか?」
「コッチは良いけど、△△サンはいいの?」
「△△様のご了承を得ています。」
形は「お願い」のスタイルだが、既にバッグは積み込まれているので、今更嫌とも言えない。
△△サンとは以前にも一緒した事があり、気の置けない人なのだが、その友人の二人とは初対面なので、少々緊張気味に挨拶に赴いた。
ところが案ずるよりも生むが易しで、「こちらこそフォーサムプレイが有難い」と歓迎された。
本音はともかく、こんな人たちとのプレイなら、一日が楽しいに違いない。

肝心のゴルフだが、このところ昨年後半に悩みに悩んだシャンク病が影を潜めている。
あらゆる対処療法を施した結果だと勝手に思い込んでいるが、もしそうだとしても何が効果的だったのかが分かっていない。
その為、いつ再発するのかが不安なのだが、それでもシャンクが出ないのは嬉しい。
しかしゴルフだから、何かが良くなると、別の何かで問題が発生する。
「シャンクさえ出なければ」と思い続けていたが、最近はシャンクが消えてもスコア結果は普段通りの面白くないゴルフが続いていた。

そしてこの日、スタート前の△△さんたちは、いわゆるオリンピックベットの打合せに余念がない。
当方も「どちらかと言えば嫌いな方ではない」ので、「それでは仲良く楽しくやりましょう」と相成った。
すると、今まで不調の極みだったパターも入り始めた。
パターに自信が出てくると、シャンク病の巣窟だったアプローチもスカスカ決まる。
同伴諸氏には、「いつシャンクが出てご迷惑をおかけするかもしれません」とアラームを鳴らしていたのだが、「とんでもない誇大広告でしたね」と、笑顔で皮肉を言われるのも心地よい。
結果として午前中は15、午後は七連続ワンパットで11の合計26パットで、自己新記録更新。
午前中スコアは、最終ホールのバンカー脱出に四打も要したのが響いて8オーバー。
午後は1.5m前後のパターが四個とも決まったので3オーバー。
最近にしては会心のゴルフとなった。

シャンクが出るから、アプローチがガタガタになる。
そう思ってシャンクの対策を練る毎に、更に深みに落ち込んでいた。
しかしパターさえ決まれば、アプローチに心血を注ぐ必要がない。
プロゴルファーは、パターから不調に落ちると聞いた。
ジャンボ尾崎も、青木功も、パターのラインが読めなくなってトーナメントで勝てなくなったらしい。
その一点では、世界的プレイヤーも、僕のような究極の素人ゴルファーも一緒。
全てのゴルフはパターから。
これで次回プレイへの、希望が湧いてきた。