昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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夫婦(めおと)ゴルフ

初夏のころ、昔の顧客からゴルフのお誘いがあった。
余り気は進まなかったが、渡世の義理で参加した。
ところがこれが、地獄の一丁目
突然シャンクが止まらなくなった。
しかも重症だ。
ついには、「暑い」とか「寒い」とか、はたまた「疲れた」とか、些細な理由をこじつけて、オールモストゴルフを断念。
以来半年以上が過ぎた。

そうこうしている内に、昔は友達とお遊びゴルフをやるにはやっていたが、寄る年波には勝てず肩痛でギブアップしていた妻の方が、再びゴルフに興味を示し始めた。
近所の河川敷ホームコースに連れて行けと、五月蠅い。
当方の現状も、余りの不調、不出来ぶりに、昔の仲間とのゴルフは敷居が高い。
嫁さん相手なら、気も置けない。
丁度良いやと、二人して出掛けた。
ところが妻は、久し振りのゴルフに加えて、クラブも旧式。
なかなか、良い当たりが出ない。
特に、ドライバーの球が上がらず、距離も出ない。
その為に、二打目、三打目を無理するので、結果は更に悪くなる。
いつもならこの辺で、「面白くない」と不貞腐れ気味になるのだが、この日は最後まで熱心にプレイしている。
その健気さに、「あのクラブではなかなか上達は覚束ない」と憐憫の情を覚え、見るに見かねて、思い切って最新式ゼクシオのドライバーと、テーラーメイドアイアンをプレゼントした。

すると、これが奏功。
それまでのショットに比べ、はるかに力強い球筋に変化、しかも良い当たりの打率も向上。
途端に更にゴルフに興味を覚えるのは、オトコもオンナも一緒。
それまで練習など一度も行った事がないくらいなのに、寧ろ当方以上に熱心になる。
その内に練習だけでは物足りなくなり、「次はゴルフ場」と、まるでお決まりのコースを辿る。
結果として、月に一度程度のペースで、夫婦(めおと)ゴルフに興じる事と相成った。

未だ、第三者とプレイするには厳しい。
勢いゴルフ場に、夫婦二人きりの組合せをお願いする事になる。
が、予約無しの場合、当方はメンバーなので問題ないが、客が多く混んでいると妻の方は断られる可能性がある。
そこで馴染みの会員権業者に、冷やかし半分(以上)で、平日会員券の有無を打診してみた。
しかしこのゴルフ場は、メンバーの絶対数も少ないが、中でも平日会員は50名もいない狭き門。
どうせ駄目だろうと高を括っていたら、一週間ほど前に「売りが出ました」との報告があった。
聞くと、このメンバーはかなりの高齢者で、最早ゴルフは無理。
年会費がタダなので持ち続けていたが、価格次第では手放しても良いと打診してきたらしい。
この手の話は縁モノで、購入意思がある時に出物があれば、あれこれ考えるよりも買ってしまうに限る。
こちらの指値がすんなり通り、アッと言う間に妻もゴルフ場のメンバーになる事になった。
すると更に、妻のゴルフ熱がヒートアップ。
今や、忙しい毎日の中に、練習のスケジュールを組み込むまでに至った。

リタイアした後は、基本的にやる事がない。
毎朝ウォーキングを続けているが、これが終わる午前8時以降は、暇を持て余す。
家で妻と一緒に、オペラDVDを見たり、撮りダメしているスポーツ番組のビデオを見ているが、やはり体を動かすゴルフは、ほかの何物にも代えがたいほど健康的だ。
年を取るに従い、腕前も落ちている当方、妻がゴルフに熱中してくれるのは大変ありがたい。
同じゴルフ場のメンバーとして、夫婦してボードにプレートが並ぶのは気恥ずかしいが、考えてみれば、こんな経験が出来る夫婦は限られている。

今後は、いつでも好きな時に、夫婦(めおと)ゴルフに興じる事が出来る。
何事も前向き!