JALの機内映画で、渡辺謙と樋口加南子の「明日の記憶」を見た。
大ヒット映画なので既に見た人も多いと思うが、粗筋は
現役バリバリの49歳サラリーマン部長が、突然物忘れが激しくなる。
・毎日同じシェービングクリームを買って帰る。
・とっさに人の名前が出なくなる。
・大事な客とのアポイントを忘れる。
・大事な客への訪問ルートがわからなくなる。
病院で調べると、若年性アルツハイマーと判明する。
妻との必死の闘病生活が始まるが、症状はドンドン進行する。
最後は、妻も判別できなくなる。
と、ここで終幕。
この映画で若い医者が、主人公が若年性アルツハイマーかどうかの簡単なテストを行うシーンがある。
三つの単語を並べ、「後でもう一度聞きますから覚えていてください」と説明する。
これだけで、もう次のシーンが簡単に想像できるのだが、実は僕自身もこの三つの単語を忘れてしまった。
医者が、「サア、三つの単語を言ってください」と続くシーンで、主人公は苦悶の表情を見せ、必死に思い出そうとするがなかなか単語が出てこない。
見ている僕も主人公と同じで、「あれっ、何だったかな?」
次は、テーブルに五つのものを置き、上を布でカバーした後、順番に思い出させるテストだが、主人公はこれも上手く答えられない。
見ている僕も、「あれっ、何だったかな?」
医者から病名を説明され、不治の病であることを知る主人公は大ショックを受け、瞬間自殺を考えるが、医者と妻から闘病の説得を受け、会社を止め病気と闘い始める。
しかし、病気は冷酷に進行していく。
見ていて辛い映画だったが、更に気分が重くなったのは、僕のテスト結果もほとんど主人公と同じだった事だ。
自分でも記憶力の減退を痛感している。
・人の名前がとっさに出ない。
・メモに書き留めないとすぐに忘れてしまう。
年を取ったらみんな同じと思ってきたが、ひょっとして僕自身もアルツハイマーを患っているかもしれない。
アルツハイマーは、本人の人間性が壊れていく恐ろしい病気だが、現代医学でも治療の方法がない。
看護する家族の負担は並大抵ではない。
映画では妻が献身的に看護するのだが、実際はこの看護に関して今や社会問題と化している。
「見なきゃ良かった」が率直な感想!