正月は馬鹿番組が多い。
とは言うものの、別にする事もないので分かっていても見てしまう。
今年は、たまたま標記の「30人31脚」を見て大変感激し、正月から得をした気分だ。
岩手県の代表チーム大更小学校では、難聴の学友を皆で助け合い、全国大会まで進出してきた。
結果は、途中で足をつないでいたバンドがはずれ、大きく遅れて決勝トーナメントへ進めなかったのだが、そんな事はどうでもいいような清々しさを覚えた。
難聴の子供も、彼をサポートした小学生も、何と素晴らしい経験をしたのだろう。
30人31脚は、一人一人のスーパーマンが戦うスポーツゲームではない。
わずか十数才の小学生が30人集まり、隣同士の子供が足を繋ぎ、文字通り横一線で力を結集してスピードを競う。
30人の小学生を集めるとなると、必ず足が遅い奴が半分くらいいるので、使い古された言葉だが、チームとしての纏まり、即ちチームワークで勝負が決まる。
このような団体競技は、学校教育の立場からも素晴らしい教材だと思う。
たまにインタビューに答える小学生は、眼が輝きヤル気に溢れ、しかも気が利いている。
キャプテンに指名された子供は、幼くして崇高な使命感を有している事が分かる。
敗者となった後のインタビューでは、子供たちも、熱血指導の先生も、無念さと感謝の思いが交錯し、涙涙で言葉にならないが、「こんな素晴らしい経験を有難う」とか「胸を張って帰ろう」とか言われると、こちらまでもらい泣きしてしまう。
この番組を見ると、今大問題の「いじめ問題」解決の鍵は、このような経験の共有化のような気がしてくる。