政治家は、政治討論の場で、「国民が見ています!」とか、「国民は馬鹿じゃないですよ!」とか、「国民」なる台詞を多用する。
自分は国民の味方だとアピールしているのだが、実はこの手法は、極めてファジーな、「国民」なるキーワードを使用する事で、自分の意見が多数派であると思わせる詭弁の論理だ。
政治家にとって「国民」と言う台詞は錦の御旗である。
しかし、政治家から見て、正義の味方で、世の中の全てをお見通しのはずの「国民」なる人達は、多くの場合、利己的発想と勝手な判断をしている。
例えば、「国民」の多くは、税金は払いたくないが福祉は享受したい。
また、Not in my backyard.もある。
「原発は必要だが、近所は嫌だ」
「ゴミ処理場は隣の町へ」
いわゆるNIMBYは、「国民」の身勝手さを表す代表である。
選挙で、当選直後のインタビューで、「皆さんの支持を得て当選する事が出来ました。今後、国民の皆様の為に頑張ります」と答える議員が多い。
しかし、正確に言えば、選挙で当選した人への信任票は半分程度、残りは反対票なのだ。
だから、「国民の為に頑張る」と言っても、自分を支持してくれた半分の人の為の努力でしかない。
「私は、私に投票してくれた人だけの為に頑張ります。私を支持しなかった人達のことなんか、構っちゃいません」と正しく発言して欲しい。