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沖縄集団自決を巡る抗議集会について

多くの批判や反発があるだろうが、僕はこの手の抗議集会にはどうにも違和感を持ってしまう。

高校日本史の教科書検定で、沖縄戦の集団自滅について「日本軍の強制があった」との記述が削除された事に、昨日29日沖縄県で11万人集まった抗議集会が開催された。
沖縄県知事や、沖縄の多くの議員が出席し、「日本軍の命令や強制で集団自決が発生したのは事実」、高校生代表も、「自分たちの祖父祖母を嘘つきと言うのか」と抗議したものだが、ちょっとおかしくないか?

敗色濃厚だった太平洋戦争で最後の戦地となった沖縄で、ギリギリの戦局で追い込まれた部隊が「負けたら全員玉砕だ!」のような発言があった事は想像に難くない。
その結果、悲惨な事件が多発した事も全く事実だろう。
多くの集団自決が発生した事は、まぎれもない歴史的事実だ。
しかし問題は、「日本軍が組織的に集団自決を強制したのが事実なのか」であり、検定委員会や文部科学省は、これは事実ではないと判断したものだろう。

だから、反対運動の在り方は、大勢を集めて撤回を求めるものではなく、日本軍が組織的に関与した事を、冷静に史実をもって指摘すべきものだと思う。
しかし今回の抗議集会では、いかにも純粋そうな高校生を駆り出し「祖父祖母が強制されたと言ったから、日本軍が関連した」と感情的に訴えている。
では、今回抗議発表した高校生はどのような証拠を用意しているのか。
単に、自分と同じ種類の意見が正しいと思い込んでいるだけではないのか。
それは、彼等が反発している「強制はなかった」的見方の裏返しであり、単なる水掛け論でしかなくなる。
「11万人も集まったから、自分たちの意見が真実だ」ではない。

従軍慰安婦問題も全く同じ構造で、慰安婦の存在は事実だが、日本軍が組織的に関わったのかは意見が分かれている。
「戦争を引き起こした日本軍はケシカランから、悪い事をやったに違いない」と、感情丸出しで思い込み、日本を否定すれば、国際社会では早速つけこまれ、外交では不利な局面を覚悟せざるを得なくなる。
彼らの主張通りに本当に日本軍が組織的に集団自決を強制したのなら、外交面の不利等は問題にならない些少な事で、あらゆる事に優先し国家として反省し謝罪しなければならない。
だからこそ、日本軍は組織的に関与したのか、それを裏付ける資料はあるのかが問題になる。

自分達の意見や思い込みだけが正しいわけではない。
日本軍関与については、圧力団体的行動で自分の意見を押し付けるのではなく、双方の意見の立脚点を明確にし、冷静に資料を紐解いて調査するべきだろう。