政府与党が、新テロ法案を強行採決し衆議院を通過する事になった。
与党も野党も織り込み済みの話で、いつもの上を下への大騒ぎにはならなかった。
与党サイドは、福田首相も町村官房長官も石波防衛相も破顔一笑、表面的には晴れやかな顔つきだったが、野党では鳩山民主党幹事長や、共産党市田議員も一様に反発していた。
中でも傑作は、相も変わらず口を尖らせ、昔の過激派のアジ演説調で反対意見を述べていた我らが社民党福島委員長。
彼女は、「多数の横暴で強行採決に至った自民党を許す事が出来ない。こうなったら、参議院では徹底的に反対して、この法案を廃案にしたい」と、意気軒昂に発言していた。
実は、この法案は衆議院では採決されて通ったが、参議院では審議の目処が立っていない。
今後の国会運営は全く予断を許さない状況下にある。
これは、即ち野党側が、「多数を背景に」この法案の成立を阻止しようとしているからであって、与党側と裏返しだが全く同じ行動をとっているからだ。
福島女史は、他人の横暴には口をきわめて罵るが、一方では自分も全く同じ穴の狢である事に気が付いていない。
改めて、誠に自分勝手な国会議員である事が分かった次第だ。
ところで、このような現象は重要法案の審議過程のすべてで発生する事が考えられるとすれば、今後は何一つ決裁される事が出来なくなり、国民生活に重大な影響を及ぼしてしまう。
冷静に考えれば、今の衆参議員の在り方は大問題なのではないだろうか。
いわゆるネジレ国会解消には、来るべき衆議院選挙で民主党が政権を取るか、あるいは今回評判が悪かった大連合による事態解決しか方法がない。
今回はあまり大騒ぎされてはいないが、実は我々はえらく大変な事態の真っ只中にいる事を感じてしまう新テロ法案の採決だった。
