昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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吉兆の経営者が一番おかしい

食の安全を巡って日本中が大揺れになっている。

北海道のミートホープ社のころは、「田中社長は胡散臭いなぁ」程度だったが、その後あらゆる分野でインチキがバレ始め、どうも食品メーカー全体が怪しい雰囲気になってきた。
在庫になるのはもったいないので、何とか再利用を考えたのは至って当り前の企業活動だったのだが、コンプライアンス全盛時代の昨今、羊頭狗肉は詐欺行為となるので、通常のメーカーは自粛している。
しかし、時代の変化に乗り遅れたところは、旧態依然としてコスト切り下げ第一で、在庫品の再利用で経営していた事もまた想像に難くない。

問題となったメーカーの大半は、程度の差こそあれ、基本的に責任者が出てきて「申し訳ない」と謝罪している。
秋田の比内鶏の社長は、真偽はともかく「死のうと思った」と謝罪したほどだが、最近の老舗吉兆の場合は「現場がやった」と説明し、経営陣はあたかも被害者の様な態度だ。

しかし責任を押し付けられた現場では、パート従業員が「事実は会社の取締役から直接表示シール張替えを指示された」と内部告発をし始めた。
大体、賞味期限が切れたものを、「現場のパート従業員が独断で勝手に張替え、本社は知らなかった」なんてことはあり得ない。
吉兆は表示期限を偽っただけでなく、農水省にも虚偽の説明をした事になる。

企業の責任者は、自社の行為が社会問題になった時に経営者としての資質そのものが問われる。
変に嘘をついたり隠し立てをせず、事実をありのままに釈明し、責任を取るのが会社を救う唯一の道だが、吉兆のように、社員や現場に責任を転嫁すると、もはや救いようのない企業となってしまう。

会社は、経営者の資質以下は存在しても、それ以上には絶対になりえない。
責任転嫁で事態を収拾しようとしている吉兆の経営者は、結果として自らの会社の潰してしまう事になる事が分かっているのだろうか。