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最近注目の太陽電池について

石油価格が天井知らずで上がり続けている。
その為、クリーンエネルギーの太陽電池が注目されている。
太陽電池の最大需要地は欧州だが、生産地は技術に優れた日本が世界一……だった。
しかし今年になって状況が一変している。
人件費が安い事を武器に、中国で雨後の筍のように太陽電池メーカーが登場した。
そして、何と今年は日本を抜いてあっという間に世界一の生産国となるらしい。
何でも、世界各国で上場した資金を背景に超積極的な投資を続けるので、何かとうるさい手続きが多い日本ではもはや太刀打ちできないとの事。
スタート後しばらくは日本が優位だが、そのうち自力に勝る外国勢に席巻されるのは太陽電池だけではないが、それにしても人民元高を背景に強引に事業拡大を目指す中国に対して今の日本企業はなす術がない。

今回、中国の地方都市で太陽電池工場を見学する事が出来た。
上海の北350km、人口は百万足らずの田舎町と言っても日本で言えば福岡クラス。
そこに、見事に近代的な大工場が現れた。
日本の大工場もたくさん見てきたが、全く勝るとも劣らない規模だ。
中に入ると、クリーンルームの中で、制服を着込んだ20歳前後の女性がズラッと並んで、一心不乱にハンダ付け作業にいそしんでいる。
見学コースに沿って進むと、だんだん太陽電池が出来あがってくる。
最先端の製品にしては、誠に手作業中心でゆったりとした行程だった。
ただ、日本では工場見学と言うと煩雑な手続きが必要だが、中国では意外に簡単でオープンだ。
欧米や日本では極力自動化によるコスト切下げを検討するが、若くて安い女性労働者が豊富な中国は今も人海戦術が主力のようで、今後どちらが勝ち残るのかには興味がある。

太陽電池は、良い事ずくめの製品のようだが、しかし多くの部品は石油製品から成り立っている。
だから、石油が枯渇すると太陽電池は出来なくなる。
石油から出来た原料を、石油で作った電力を使い製品に作りあげ、石油から出来たガソリンを使って配送する。
一見すると、石油代替の切り札のような太陽電池も、石油から切り離して生産する事が出来ない。
やはり、石油が枯渇する時が人類最後の時だ。

中国の太陽電池メーカーの幹部は、大半が40歳前後の若さだが、世界を相手にビジネスを展開している。
彼らには、今の日本人が忘れ去った使命感や迫力を感じる。
同時に、成功したものだけに豪華絢爛たる生活が許される。
外国人ゲストと幹部用だけの社内食堂には、たくさんのメニューが準備されていた。
今回の工場見学で、改めて中国の持つすさまじいエネルギーを痛感した。