昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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福田首相中国訪問と中国人との交渉について

福田首相が訪中し日中友好を演出したが、肝心の外交交渉での成果は皆無に近い。
ガス田開発問題について、福田は「相互理解が深まった」「早期解決の必要性を確認した」と胸を張ったが、こんな合意は実際には何の役にも立たない。
中国は、東シナ海のガス田について、自らの権益を主張する事はあっても、日本に妥協する気が全くない事が分かっただけが成果との情けない外交だった。

僕も、福田首相と全く同じ日に、ある企業とのちょっとした揉め事解決の為に中国の地方都市を訪問した。
無論、国賓の福田とは比べるまでもなく、地方空港に出迎えの担当の中国人がたった一人、ヒッソリサッパリ出張だった。
空港から車でおおよそ30分の中国企業で、いささか緊張した交渉が開始された。
実はこの企業への訪問は、昨月に続いてこれが二度目。
前回は、当方の担当が変わった挨拶と、それまで放置されてきた懸案事項の解決が目的だったが、双方の主張は全くの平行線。
彼等は「自分達の要求が認められなければ中国で裁判を起こすので、次回までに回答を持ってきてほしい」と宣言。
そしてその要求たるやとんでもない金額で、全く話にならない
当方で検討した結果は、「我々に非はない。彼等の要求は拒否、裁判やむなし」だったので、今回はかなり厳しい交渉になる事を覚悟しての交渉開始だったが・・・・・・

今回の彼等は、「裁判になると勝っても負けても双方に後遺症が残る。我々は裁判を望まない。日本側で、裁判にかかる費用も含めて誠意を見せて欲しい」と、いきなり変化球を投げてきた。
しかも、「今、答えるのは難しいだろうから、一カ月後にまた来てほしい」と、早々にその日の交渉は打切り宣言、わずか30分ほどで要件終了。
後は雑談になったのだが、彼等は強かさにも「今晩一緒に食事しよう」と誘ってくる。
両方で自分の正当性を主張し合った後なので、友好的に食事する気にもならず丁重に断ったのだが、当社の中国人に聞いた所、「彼等も自分の要求が通るなんて思っていない。まずは膨大な要求をした後、食事しながら落とし所を探るのが中国流」との事。
当方は、「妥協しない」と機関決定しているので、ある意味で気が楽だが、今後も中国側と押したり引いたりの駆け引きが続くのは決して愉快で楽しい事態ではない。
まさに脅したり、すかしたりの中国交渉術の一端を見た。

中国人との交渉は、結論が出るまでの間、一瞬でも隙を見せると一気につけこまれる。
百戦錬磨の中国人外交官を相手に闘う政治の世界は、日本全体の権益がかかっているので、我々民間レベルとは事の重大さが違う。
日本権益を守る為には、首相の強い信念とリーダーシップが必須だ。
しかし、福田康夫のニヤケた笑い顔を見ると、果たして大丈夫かと不安な思いに駆られてしまう。