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木村拓哉「チェンジ」最終章

木村拓哉
僕なんかは僻みヤッカミ込みで、彼の事をキム・タクと韓国名で呼んでいるほどで、木村拓哉など好きなはずがないが、この男、女性に絶大なる(との、普通の表現では物足りないほどの)人気があるようだ。
彼の主演作にしては低視聴率と評判だった、テレビドラマ「チェンジ」最終章を見た。
数日前の大々的な番組宣伝に乗せられて、「見てしまった!」が、より正しい表現。
小学校の教師が、アレヨアレヨという間に日本国総理大臣になってしまう内容の荒唐無稽さは、テレビドラマだから文句は言うまい。
政界の黒幕を演じながらも腹黒い不気味さを漂わすような雰囲気ゼロの寺尾聡、選挙のプロを演じた阿倍寛の何とも言いようのない軽さ等、ミスキャスティングについても我慢しよう。
小学校の教え子を純情無垢な意見の持ち主に見立て、キム・タク総理大臣の家に大挙して押しかけ、「先生は正しい」と励ますのもよくよく使われるシーンだ。
ついでに最終章のどこかで、実はキム・タク総理大臣がその昔教師になれたのも、代議士だった親父の口利きだったと、最近の大分県教師試験で発覚した贈収賄事件も織込んでくれたら、物語は更に盛り上がったと思うのだが。

途中、タバコを吸うシーンは全く不必要。
少なくとも政界を浄化する意思を持つ気鋭の総理大臣を描くのなら、健康に留意すべきでありタバコを吸う事はいただけない。
しかし、最も驚いたのは、キム・タク総理大臣がドラマのクライマックスで延々と20分以上も独演した事。
国民に直接語りかけるとの設定だが、キム・タク総理大臣は途中で感極まり、涙まで流す始末。
このオトコ、素に戻った将来政界に打って出る積りかと思わせる迫真の演技だが、何せ顔つきや物腰に貫禄がない。
キム・タクファンには、往年の長谷川一夫が流し目で見得を切るに等しい大名場面かもしれないが、ワタシ等素人衆は思わず笑ってしまう。
キャラクターとしては杉村太蔵を髣髴とさせるキム・タク総理大臣の、若者らしい責任の取り方を訴えたかったのだろうが、最大に盛り上がる場面でキム・タク総理大臣が打出した勝負手は、郵政選挙で「国民に信を問う」と国会を解散した小泉淳一郎の全くの焼き直し。
あの選挙に熱狂し小泉自民党を支持した国民が、今や小泉改革の後始末に苦しんでいる事や、チルドレンと称する役立たず政治家を大量に生み出した事への反省はないのか!

そして、自分もまた選挙に立候補し、選挙演説をブツ場面でFIN。
政治家は、選挙で当選さえすればあらゆる禊が済み、天下晴れて無実無罪となるという、日本独特の政界常識にドップリの最終章となっていた。
最愛の秘書官ともども、政界を引退、小学校の教師として息の長い日本国改革を目指すともなればモット締まった最終章になっただろうに。

と、キム・タク教の信者ではないオジサン視聴者には感激度の薄いドラマでした。