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小泉引退狂想曲、世襲はなぜ悪い?

小泉純一郎の突然の政界引退については賛否両論、好意的な意見は「小泉らしく潔い」、一方否定的なものは「無責任だ」が多い。
しかし、次男小泉進次郎への選挙区世襲は圧倒的に評判が悪い。
首相時代の颯爽とした立ち居振舞いが余程好印象を与えていたようで、小泉が単なる親馬鹿に見えてしまったのだろう。

海外では、議員の世襲制は非常に稀のようだが、日本の場合、議員は典型的地域密着型で地元への利益誘導が最大のミッションなので、どうしても親子代々にわたってその役目を担う人材が必要になってくる。
その点では政界は家元制度にも似ており、議員の家系に生まれたら国会議員になるのが当たり前になってしまう。
だから、小泉純一郎を始めとして関係者は総じて、禅譲が悪いなどの問題意識もなく、ごくごく当たり前に進次郎を後継者に決めたのだろう。
また、後援会組織とは、代議士を頂点にした利権団体であり、親分が変わると一気にバランスが壊れ、結果として深刻な内部分裂に陥るものだから、組織維持の為には政界の世襲制が変わる事はあり得ない。
自分も息子に地盤を禅譲した中曽根は、「世襲が悪いわけではない。あくまで人物本位」と発言したが、これもよくある言い訳でしかない。
また、「自分の息子は出来が良い」と思うのは、ほとんどの場合典型的な親馬鹿の贔屓目だ。

小泉進次郎はさほど学業成績が良かった方ではないらしい。
関東学院大学を卒業後、箔をつけようとコロンビア大学に留学したのは親馬鹿のなせる技だろう。
しかし、長男小泉孝太郎が役者になってしまったので、いつの頃からか自分が父親の跡目を継ぐべき人間だと理解し、そのための準備をしてきたと思われる。
最近は、親父の尻尾にくっついて後援者に挨拶している姿が映し出されている。

民主党には、この選挙区に田中康夫を刺客で送り込む計画があるらしい。
大変興味がある組み合わせだが、慇懃無礼を絵にかいたような田中では逆転勝利は覚束ないのではないだろうか。
何せ、あまり好感度の高い候補者ではない。
むしろ、小沢一郎本人が乗り込んでくれば、自民対民主の対立構造が集約化され、日本中から大いに注目される目玉選挙区になる。

日本の場合は、北朝鮮とは違い本当に多くの人が世襲を悪いと思うのなら、選挙で投票さえしなければつぶす事が出来る。
今、マスコミの論調を聞くと、世襲への批判は極めて強い。
それでもやはり地元の権益が重視されるのか、はたまた一般論が政治に反映されるのか、小泉進次郎への神奈川県横須賀市民の投票が見ものだ。