昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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欧米人のユーモア感覚とコミュニケーション

我々日本人の理解が及ばないものの一つに、欧米人のユーモア感覚がある。
アメリカの喜劇を見ていても、日本人にはほとんど面白くない。
しかし、見ているアメリカ人は腹を抱えて大笑いしている。
チャップリンのように、万国共通の喜劇王もいるにはいるが、例えばジョージ・マーチン等は、日本ではマニアにこそ受けるものの、あまり人気があるとは言えない。

一方我が日本では、今が旬と圧倒的に人気のある若手芸人などがアメリカ人に受ける事は少ない。(志村けんの笑いは、例外的に欧米人にもわかるようだが。)
これ全て、欧米人と日本人のユーモア感覚の差なのだろう。

僕なんかでも欧米人と話している時に、表情から「あぁ、今彼らはジョークを話しているのだろうな」と感じる事があるが、実は内容は全く面白くない事がほとんどだ。
そんな時は、頬を引きつらすような笑いを返す事が精一杯。
ところが一方、当方が面白くもないと自覚しているような話でもチョイと会話に挟もうものなら、彼らは大げさなぐらいに喜ぶ。
彼らはきっと、相手がジョークらしいものを話すと、自動的に笑うような習性になっているのだろう。
お互いのユーモアを理解し楽しむ事は、彼らのコミュニケーションの手段に違いない。

我々日本人は、赤の他人と気楽に話し合う事は少ない。
沈黙は美徳であり人間としての奥行きの深さを示すと思われていて、お喋りに興じる事は軽薄な印象を与えてしまう。
一方欧米人は、自分の敵意がない事の証明のためにもよく話しかけるし、持ってまわった言い方やあまり肩苦しい話よりも、馬鹿馬鹿しいほどの率直な物言いの方を好む。
日本では考えられないが、ほとんどの場合、大して親しくもないのにお互いをファーストネームで呼び合う。
娘がアメリカ人と結婚した先輩は、婿殿から「Hey,Sinichi!」と呼びかけられ、「俺は嫁さんからもそんな言い方をされたことはない」と、かなり頭にきていた。

ただ、欧米人が当方のスピーチに大喜びしてくれると、かなりいい気分になってしまうことは間違いない。
他人とコミュニケーションをとらねばならない時には、彼らのリアクションは大いに助かる。
逆に表情を押し殺す日本人の対応は、欧米人には大いに不満らしい。

どうやら、日本人の美徳は島国でだけ通用するもののようだ。
よって不肖私メも、些か気恥ずかしいが、外国人と話す時は大袈裟なくらいに表情を豊かにする事にしている。