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幸福実現党がビラ配りを始めた

衆議院選挙が近い。
政権交代が実現するのかに関心が集まっているが、どうも自民党苦戦が予想されている。
そんな中で「幸福実現党」なる政党が誕生したようだ。
バックの「幸福の科学」が、従来自民党支持だったらしいので、突然の新党発表は自民党に幾分なりとダメージになるのではとも見られている。

新興宗教団体が政治の世界に進出すると、僕にはどうしても十数年前の「真理党」がダブってしまう。
当時、既に一部では胡散臭い宗教団体と見られていたオウム真理教が突然政界進出を発表、教祖麻原彰晃を担いで奇抜な選挙戦を展開したが、当たり前に大惨敗を喫した。
その後オウム真理教は非合法の武装化を進める事になるのだが、その切っ掛けになったのが選挙惨敗へのショックだった事が分かっている。

僕は、「幸福の科学」がいかなる宗教団体なのは、寡聞にして知らない。
たまに新聞で教祖大川隆法の本の広告が出ているようだが、興味もなく読んだ事すらない。
ただ、田原総一郎司会の「朝まで生テレビ」で幸福の科学オウム真理教と宗教論争をした時、田原が「内容はオウム真理教の圧勝だった。オウムは本物だ」との感想を述べたほどだから、「幸福の科学は実はたいした事はない宗教団体なのでは」と思ってきたし、それは今でも変わらない。
(もっとも、後にオウム真理教の実態が分かった時に、彼らを評価していた田原は大恥をかく事になったのだが。)

僕が通う駅頭で、一見如何にも真面目そうな男女が幸福実現党のビラ配りをしていた。
それには、爽やかイメージの党首「あえば直道(ジキドウと読むらしい)」の顔写真と共に、「夢は大きい方がいい。理想は必ず実現する」と謳い、「Let’s!ジャパニーズ・ドリーム」と、訳の分からない和製英語が続く。
景気回復!日本を元気に!株価上昇2万円台!「幸福実現党は約束します」
いじめ追放!学力アップの公教育!「幸福実現党は実現します
憲法改正!核のない世界へ!
と、(憲法改正には異論もあるかと思うが、)基本的に全く結構な事だらけのキャッチコピーが並んでいる。
まぁ、政党のビラなんて自民党民主党のものも似たり寄ったりだが、この「幸福実現党」はまるで政策不明のまま、ひたすらポピュリズムスローガンを掲げているとしか見えない。

「宗教と政治は分離しなければならない!」と四角四面に言う積りはないが、古今東西宗教が政治を支配すると碌な事にならない。
自らが信じる神が絶対であるほど他の宗教への許容範囲が狭まり、最終的には異教徒への弾圧等厳しい宗教対立を招く。
幸福の科学は「オウム真理教は違う」と言うのかもしれないが、新興宗教が突然政治に乗り出すと、あの忌まわしいサリン事件を思い出し、不安な思いに駆られてしまう。

果たして、次回の選挙で幸福実現党はどこまでの票を獲得するのか知らないが、結果が思わしくなくても(小選挙区選挙制度では、恐らくは厳しい結果にしかならないと思われるが)、その後「幸福実現党」がオウム真理教のような暴走をしない事を願っている。

僕には「幸福の科学」みたいな新興宗教に熱中する人達が引きもきらない事自体が理解できないが、世の中に不安と不満を持つ人達の一部には、信じない人にとっては噴飯ものの教義でも「目から鱗が落ちる、素晴らしい教え」と写ってしまうのだろう。
一心不乱にビラ配りをしている信者達を見ると、そう思えてならない。