昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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バツイチ、×イチ

先般、先輩と同僚、後輩の四人で酒を飲んだ。
だんだん酩酊気味になった同僚が、「○○さんはバツイチらしいですよ」と、その場にいない人の裏話を披歴した。
すると、間髪を入れず先輩が「俺だってバツイチだ」。

何でも彼は、海外留学時代に熱烈な恋愛の結果国際結婚にこぎつけたらしい。
その後日本での新婚生活になったのだが、先輩は当時流行したモーレツ社員の典型。
朝から深夜まで働きずくめ、飲み続けの毎日で、ある日帰宅したら、一粒種のお嬢さんとアメリカ人ワイフ、奥さんの家財道具一切が見事に消え失せていたとの事。
その後日本人女性と再婚し、今や幸せな老人夫婦になって結果オーライだが、離婚当時は自暴自棄になったと述懐していた。

すると、後輩が「実は僕もバツイチなんです」と告白した。
流石にこの一言ですっかり座がシラケ、言い出しっぺの同僚には全く居心地の悪い宴席になってしまった。

ところで、なんで離婚を「バツイチ」と表現するのだろう。
未だに誰一人「マルイチ」と言うのを聞いた事がない。
恐らくは、「離婚は悪い事」が世間一般の常識であり、だからバツ(×)という言葉を充てるのだろう。
しかし先輩がそうだったように、離婚は必ずしも悪い結果だけをもたらすものではない。

結婚式は、新婚夫婦が見せ物にされるセレモニーで「二度とこんな恥ずかしい事はしたくない」と思わせる為に意味のあるコストらしい。
それでも尚離婚せざるを得なくなった場合、結婚する事よりも遥かに膨大なエネルギーが必要とやらで、もう二度と結婚なんかしたくないとまで思い詰めるらしい。

しかし、多くの人が早い機会にまた結婚している。
先に告白した後輩も、可愛い後妻を娶り、今や毎日愛妻弁当持参で出社してくる。
この二人をみると、離婚はバツではない。

離婚を経て幸せになった人はたくさんいるはずだ。
離婚は、決して賞賛したり推奨される事ではないが、袋小路に陥った人生をやり直す為の一大決心である事は間違いない。
よって、離婚した事をバツイチとかバツニとかいうのにハンタイ!
(念の為、当方、別段離婚を美化したり、自分が離婚したいとか思っていない事を申し添えます)