剣が峰だった自民党の懇談会を、涙の謝罪で乗り切った麻生太郎。
八百長臭かったが、政敵と化した中川秀直の協力も取り付け、念願の衆議院解散まで達成。
いよいよ天下分け目の衆議院選挙へと突入。
総理大臣としてのこの間の首尾たるや、一応合格点がつけられるはずだ。
しかも投票日は、色々とあって妥協の産物ながらもかなり先の8月30日。
今すぐの選挙だったら大敗間違いないと見られているので、この点も結果オーライの合格点。
長い選挙期間で、民主党の化けの皮も剥げるかもしれない。
鳩山由紀夫の選挙資金疑惑も、もっと大事件になるかもしれない。
何があるか分からない長い夏を経ての戦いだから、苦戦が伝えられる選挙でも逆転の目があるかもしれない。
この間、しっかりと自民党の政策を訴え、人気を盛り返し、敵失を待つ。
麻生太郎と自民党には、これしか方法がない......はずだった。
なのに自爆してしまうとは、寅さんのオイチャンじゃないが、「麻生太郎は本当に馬鹿ダネェ!」
言うに事欠いて、「高齢者は、皆さんと違って、働くことしか才能がない。80歳を過ぎて遊びを覚えても遅い」と発言するとは、その政治音痴ぶりに驚きや呆れよりも悲しくなってしまう。
自信満々、身振り手振りを交えて講演する。
いささか過剰な表現は、麻生太郎のサービス精神DNAなのだろう。
でなければ、こんな馬鹿げた危険な物言いをするはずがない。
聴衆に受けたい!
その一心で、言わずもがなの演説をしてしまう。
後で、「元気な高齢者の社会進出を考えて」と言い訳していたし、恐らくそれが彼の本心なのだろうが、あの言い方は不快感を持たれるに決まっているし、「吐いた唾は飲み込めない」、決して好意的にみられる事はない。
敵失より前に自爆するようでは、せっかく「麻生で勝負するしかない」と諦めた自民党の反麻生勢力も「やっぱり駄目か」となり、求心力は一段と低下する。
何より去年から失言続きの麻生太郎に対して、世間の風当たりが更に厳しくなってしまい、自民党の勝機は、益々薄らいでいく。
この状況下では、どう贔屓目に見ても政権交代は避けられないようだ。
実は世間の風潮とは違い、へそ曲がりの僕は今回は自民党政権が続く事を期待していた。
マニフェストを見る限り、例えば夫婦別姓や外国人参政権の問題、安全保障に関して、民主党の政策にはどうしても賛成できない。
無論、自民党政治が多くの国民にソッポを向かれている事は百も承知の積りだ。
東国原を担ぎ出そうとした自民党の政治手法は大嫌いだった。
それでも尚、民主党の青臭さには違和感を持ってしまう。
密かに麻生太郎を応援しようと思っていたのに、全く持って情けない。
残念ながら、今の麻生太郎総裁では自民党に勝ち目がない。
改めて、幻滅、ゲ・ン・メ・ツ!