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鳩山民主党政権への応援歌

わが愛読紙、産経新聞は連日のように反民主党キャンペーンを繰り返す。
鳩山首相が中国、韓国の首脳と会談し、アジア共同体構想を持ちだすと、「アメリカとの友好関係こそが国家の基盤。鳩山首相は老獪な中国に騙されている」と騒ぐ。
民主党が、「2015年二酸化炭素25%削減」を打ち出すと、「産業界はこぞって反対。結局は国民負担になる」と反対する。
八ッ場ダム計画の凍結」を宣言すると、「マニフェストと現実は違う。もっと地元の意見を聞くべき」と噛みつく。
とにかく、民主党のやる事なす事、その全てが気に入らぬようだ。

しかし意外にも、鳩山政権への支持率は高い。
前回衆議院選挙の民意は、今迄自民党政権が繰り返してきた地元への利益誘導型政治への決別であり、「アメリカとの対等外交」への支持だ。

国会議員が地元利益の代弁者だったのは何十年と続いた政治の典型なので、政権交代が起きたので急ブレーキを踏むと、当然様々な問題が発生する。
当初は反対派だった地元住民が、やむに止まれず泣きの涙でダム建設を認めた歴史を振り返れば、前原国交相が地元を訪問する事もなく、「計画撤回」を宣言すれば、「もうちょっと気を遣え」と文句を言いたい気持ちは分からないでもない。
しかし民主党は、衆議院選挙運動中繰り返し「八ッ場ダム計画は凍結」と訴え続けていた。
地元も産経新聞も、民主党が政権についたら、計画見直しになると覚悟しておくべきだった。

アジア共同体構想も、実際にできるのかどうかは知らないが、アイディアとして悪いはずがない。
無論、アメリカこそが最も信頼できる同盟国である事に異論はない。
しかしそのアメリカは、今や国力が弱まり、今迄のように大盤振舞いで日本を守ってくれる余裕がない。
日本としては、アメリカ頼みだけでは不安なので、中国や韓国と仲良くした方が良い。
産経新聞櫻井よしこのように、「中国は絶対にダメ」と毛嫌いしているだけでは、世界的潮流に乗り遅れる。

二酸化炭素削減目標25%は、日本では評判が悪いが、国際的には高く評価されている。
日本が海外から評価されるなんて、自民党政権では皆無だった事を考えれば、鳩山外交の船出は大成功だろう。
日本だけが馬鹿を見るとの批判があるが、鳩山首相は「諸外国の足並みが揃えば」とイクスキューズも付けている。
海外で同じ動きがなければ、その時は開き直ればいい。
第一、 普通に日本の企業に削減を要請しても、精々4%程度の答えしか返ってこない。
自民党に拠りかかっていればよかった経営者達に、「これは大変だ」と思わせただけでも効果あり。
民主党の高速道路無料化やガソリン値下げは、二酸化炭素削減と矛盾するとの批判も強い。
しかし民主党は、別途環境税新設を準備しているとも聞こえてくる。
若手の優秀な政治家も多く、民主党はなかなかの策士集団とも思える。

当方、民主党の政策について様々な疑問もある。
在日外国人への参政権や、夫婦別姓などは、絶対に反対の立場だ。
何より、鳩山首相の慇懃そのものの言い回しには背中がむず痒くなり、どうにも馴染めない。

しかし、補正予算の見直しで2兆円以上の無駄を摘発し、更に3兆円削減を目指す姿勢は評価すべきだ。
反対派からは早速「必要な物まで削るなんて」とクレームが付いているが、本来自民党政権が必要として補正予算として計上したものを削減するのだから、当てが外れて困ってしまう人達がでてくるが、これらは民主党政権でなければ必要不必要の検証すらなされず、全て予算として消化されたものだからだ。

初めての政権交代なので、不安や不満を論えばたくさん出てくるだろう。
しかしこれもまた我々の選択の結果なのだから、民主党政権の足を引っ張るのに躍起になるのではなく、しばらくは是々非々と立場で、心穏やかに見守る姿勢が重要だと思う。