昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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出張で泊まるホテル

当方、基本的に泊り付きの出張は好きでない。
我が家が一番落ち着くので、少々遅くなっても日帰り出張を心がけている。

但し、珠にはどうしようもないスケジュールが組まれる。
そんな時はやむを得ず、ホテルに泊る事になる。
若い頃は、「どうせ寝るだけだからどんなホテルでも構わない」と思ってきた。
だから交通の便さえよければ、超オンボロホテルも苦にしなかった。

しかしある時、札幌で人生観ならぬホテル観がすっかり変わった。
顧客と食事をした後、やや酩酊気味で薄野の安ホテルに宿泊したのだが、窓を開けるとすぐ隣のビルの壁が迫っている。
灰色のコンクリートがいかにも窮屈で圧迫感があり、すっかり酔いが覚めてしまった。
まるで窓の意味がなく、万一火事が発生しても窓から脱出なんぞ出来っこない。
やはり料金が安いホテルにはそれなりの犠牲が付きまとうもので、「ホテルに掘り出し物がない」事を実感して以降、出来れば上の下、少なくとも中の上クラスのホテルに宿泊する事にしている。

ところが理想通りには行かないもので、残念ながらの事態が発生する。
今回の名古屋出張の場合、定宿が満室で断られたのがケチのつき始め。
夜遅く到着するので、「名古屋駅の近く」を唯一最大の条件で探した結果、やっと見つかったのはどう贔屓目に見ても下の中程度のホテルで、到着するまで怪しげなピンサロの客引きアンチャン達を掻き分けながら進まないといけない。
やっとたどり着いたホテルは、受付が女性ではなく鼻髭を蓄えたアンチャンで、なんとも不気味な雰囲気が漂っている。
部屋は、薄っぺらなベッドがポツンで、トイレはウォシュレットではない今時珍しい旧来タイプ。

パソコンのランケーブルを頼んだら、「受付まで取りに来て」。
当方「もう着替えたので部屋まで持ってきて欲しい」
受付「当ホテルは部屋着でおいで頂いて結構です」だって。
ホテルの廊下やエレベータを、部屋着とスリッパで移動するのはなんとも落ち着かないものだ。
廊下を歩く客の足音や嬌声がうるさいだけでなく、壁が薄い為に隣のトイレや風呂の生活音が筒抜けに聞こえてくる。

値段もかなり安いのでやむを得ないが、残り少ない人生の一日をこんな所で過ごすのかと、些か感傷的になってしまう。
我が社にも宿泊費を浮かす為に安ホテル専門の兵もいるが、安全の面からも問題発生の確率が高いのではと心配してしまう。
やはり今後は、贅沢こそ望まないが、早めにソコソコのホテルを予約することにしよう。