昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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そんな格好までしなければいけないなんて?

健康診断の辛い体験談で盛り上がった。
当方、毎年の定期健康診断で、前日から食事制限されるだけでも不愉快なのに、当日飯も食えないのに便や尿の提出を強制される事が納得できない。
かてて加えて、陰気な検査服に着替えさせられて、検査室の前で所在なげに座って順番を待つのも面白くない。

要は健康診断が大嫌いなのだが、それでも結果が「異常なし」なら何にも文句は言わない。
ただ年を重ねるに従い、体のあちらこちらに故障が発生するので、「要再検」となる確率が高いのだが、そうなると不愉快を通り越して、一気に不安感に苛まされる。
そしてこの再検たるや、マァ誇りを持って生きている人間には、屈辱感に打ちのめされる格好を強制される事が多い。
会社で後輩達に偉そうに説教しているオヤジにとって、直腸検査や腸の内視鏡検査を受ける時の格好がバレたら、長年かかって作り上げたイメージが音を立てて崩れ果てるに違いない。
と言う事で、健康診断を受けた後は、「何とか引っかかる項目がありませんように」と祈る日々を送る事になる。

ところで、僕が尊敬するある先輩の話。
東京で学生だった彼が、急行電車で故郷宮崎へ帰省中の神戸近くで事件が発生した(らしい)。
飛行機や新幹線など夢のまた夢の貧乏学生だったので、硬い椅子でガタガタと列車に揺られている内に、予てから持病の痔疾の痛みが激化。
どうにも我慢できない非常事態になった為、やむを得ず神戸で下車、駅付近の肛門科に駆け込んだ由。

「では患部を見せて」との医者の言葉で、哀れ彼は、うら若き美人看護婦に両足を開いて吊りあげられ、誰にも見せた事のない秘めた部分を、文字通り白日の下に晒されてしまった。
二十歳前後の若者にとって、これだけでも充分過ぎるほどに恥ずかしい経験に違いない。
患部を診た医者は「オオッ、これは珍しい。三つの痔疾が発病している。医学的にも大変貴重な症状なので写真を撮ろう」と看護婦に命じた。
件の美人看護婦に足をつるされた状態で、先輩の秘めたる部分を、それこそ本人の了承も得ないまま、遠慮会釈なくパチパチと写真を撮りまくる。

「エリートの積り」だった先輩は、「痔の学会で、自分のあの部分の写真が発表されたかもと思うと、その悪夢を忘れるのに、五年以上かかった」と述懐していた。
「ココロにイッショウ消えないキズを負った」彼は、その時の手術で肛門の括約筋の大半をとられてしまい、「絶対に衆道男色の世界では生きていけない体になったので、諦めてサラリーマンになった」と冗談めかして話す。

当方、健康診断の再検の時に、いつも彼の逸話を思い出す。