昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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仕分けする側、される側

仕分け会議のやり取りは、双方がエキサイトする仕草が滑稽で面白い見せ物だった。
そして日曜日、仕分け側の責任者、枝野幸男がテレビに出まくっていた。
この間の事業仕分けについての説明だったが、久しぶりの晴れ舞台で見せ場を作ったとの自己宣伝臭さが抜けない。
今回の事業仕分けを評価する意見の代表格は、従来の密室予算を公開する事で、無駄な税金使用が白日のもとに晒された事のようだ。
否定的意見には、「たった一時間では討論時間が不足」とか、「最初から結論ありきのパフォーマンスに過ぎない」があるが、こちらは些か負け犬の遠吠えに近い。

今回の仕分け騒動で一番醜態を晒したのが、日本で一番優秀な人材群と見られていた官僚達の右往左往ぶりだ。
「短時間で判決の出る人民裁判のようだった」と泣き言、恨み節が多かったが、元々決められた時間内で自分達の事業をアピールできなかった事を恥じるべきだろう。
彼らは他人の揚げ足をとりながらの攻めには強いが、皆の前で大声を出されるとからきし弱い。
まるでやくざに凄まれた時にオロオロと対応する気の弱い我々素人と一緒の、ガラスのエリート集団でしかなかった。

一方、「必殺仕分け人」などと煽てられるものだから肩に力が入り、猛々しい言葉で「無駄、無駄!」「廃止、廃止!」を連呼した仕分け人の態度もまた物議を醸している。
仕分ける側は、まるで正義の味方の積りのように振舞っていたが、内容の無さがあっさりバレてしまった例がある。
今回の主役の一人、元クラリオンガール蓮舫は、スーパーコンピュータに関して「何故世界一でなければならないのか?」と質問した。
更に恥の上塗りで、「何故二位ではいけないのか?」と付け加えた。
こんな馬鹿げた質問をするなんて、彼女と仕分け人達は何と無知蒙昧なのだろう。
世界のどこが、世界で二番目のスーパーコンピュータに興味を示すというのだろう。
また、自分達よりも優れたコンピュータで解析した相手国に、ビジネスでも政治でも勝てると思っているのだろうか。

さすがに後日、枝野幸男は、スパコンの重要性を引き出す為の蓮舫の誘導尋問だったと言い訳したが、目を吊り上げて詰問した蓮舫のあの姿が、そんな高等戦術とは到底思えない。
枝野の言い訳がインチキなのは、実際に仕分け人達はこのプロジェクトを凍結したしまった事に表れている。
後にあらゆる媒体でこの仕分けの無謀さを指摘され、慌てて「最終決定は菅直人」と責任転嫁をしていたが、無駄狩りに熱中するあまり事の重大さを理解していなかった事が明白だ。
そもそもスパコンの重要さを認識していれば、この事業が仕分け対象になどなるはずもない。

民主党と仕分け人達は、技術立国日本にとって最も必要な事が分かっていない政策音痴ぶりを露呈してしまった気がする。