昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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どうもアメリカ人って奴らは!

懸念だったビジネスは、思っていた以上の首尾。
やはり一週間以上に亘り、入念に準備した甲斐があった。
双方とも充分満足で、「では昼食でも」となったが、アメリカ人顧客は「寿司を食べたい」と言い出した。
デトロイトの外れの田舎町なので「そんなものあるのか」と不安になったが、彼が案内してくれた建物は普通の民家風、入り口に象の置物が二個狛犬のように鎮座している。
日本食と象の取り合わせの意味が分からない。
入り口には、「多福」と漢字で書いてある掛け物がある。
従業員に意味を聞いたが、もちろん誰も答えられない。
「A lot of happinessってんだぜ」と知った振りをすると、大袈裟に驚くところが可愛らしい。

一応寿司らしいものが並んだメニューだが、うなぎ、ロブスター、スパイシーツナとか天麩羅のようなものとか、とにかく日本人なら絶対に思いつかないものが混じっている。
ミソスープがあるので注文したら、スープ皿にスプーン付きで豆腐入りの温い物が出てきた。
これを音を立てずに飲み込むのだから、食べにくい事この上ない。
刺身のトロは英語名「Fatty Tuna」だが、冷凍物の解凍途中で、且つ油っ気がなくパサパサ。
「こんなもの食えるか!」と思うと、隣のアメリカ人はソーダジュースを飲みながら「美味い、美味い」と舌鼓を打っている。
彼は、寿司、刺身をパクつきながら、ジュースを四杯もお代わりした。

食事終了で仕事も終了。
帰国の途に着くため、デトロイト空港からシカゴへ。
デトロイト空港で時間があったのでコーヒーショップへ。
ウエイトレスが「チャイティ」を勧める。
「甘くないか?」と質問すると「So-so! Spicy one is very good.」と言うものだから「ではSpicyを」と注文。
ところが、これが甘くて飲めた物じゃない。
ほとんど九割方残してしまった。
シカゴまでの飛行時間は、通常は1時間20分。
アメリカにしては珍しく、定刻の18時5分に離陸した。
例によって機内は、アメリカ人が携帯カケマクリ、パソコンやりっ放しの無法状態だが、不思議な事に離陸と着陸の瞬間だけは全員が電源を落とす。
当方、疲労で10分ほどウトウトとした感じだったが、目を覚ますともう着陸の準備に入り始めた。
幾らなんでもチョット早過ぎかなと思っていたら、何と予定の半分40分でシカゴ到着。
「これはラッキー」と喜んだのも束の間、機内放送で「早く着き過ぎ、ゲートが開いていないのでここで40分待機する」と空港の端っこに止ってしまった。
しかも、結局予定より20分遅れてやっこらさゲートイン。
一時間も空港待機では、途中飛ばしたのが何の意味もなかった事になる。

明日10時頃には出発するので、本日はシカゴオヘア空港内のホテルに投宿。
しかし空港が広すぎて、ホテルの場所が分からない。
途中何度も尋ね尋ねて、やっと近くまで来た感じだったので、念の為に黒人の作業員に「ホテルは?」と聞くと、「あのドアを出たところ」と教えてくれた。
ところがタクシー乗り場のその場所は横断歩道がなく、車がビュンビュン走っている。
「これは駄目だ」と元に戻ると、件の黒人が寄ってきて「どうした?」みたいな質問をする。
「道路が渡れない!」と文句を言ったら「OK, come with me!」と親切に案内する。
当方「横断歩道がないのにどうやって渡るの?」と聞くと、「No problem. You only lift your hand, like me. Follow me!」と左手を挙げながら車列の中に敢然と飛び込み、疾走してきたバスを止めて、当方にニコリ。
呆気にとられたが、面白いオッサンだったので「Thank you!」と御礼。

やっとホテルにチェックイン、「さあ風呂でも」と思うと、風呂栓が壊れて水は全く溜らない。
「価格だけは昨日の三倍もする高級ホテルのはずなのに」と腹を立てルームサービスに抗議すると、何やら仰々しい道具を持った馬鹿デカイ係員がノソノソと登場。
しばらく悪戦苦闘後やっと修理が終わると、まるで悪びれずに当方にウィンクして帰っていった。
「君達、客商売だろ、ちゃんと部屋をチェックしておきなさい」と悪態をつきたい気もするが、あまりに悪びれないのでこれも「Thank you」。

アメリカ人って、騒がしくて自分勝手でお節介で派手好きな連中が多く、実に中国人と似ていると思うが、一方では性格が陽気で人がよく、中国人よりも付き合いやすい。
そんな気がした二日間だった。