昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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JAL再建問題から見える事

不振が続くJALに対して、公的資金投入による再建案がまとまってきた。
会社更生法を申請するとの話もある。
国内外でJALを使用する機会が多い事から、他人事とは思えない。
国際線も大幅に減便するらしいから、かなり不便になる。

一方のライバルANAは絶好調。
何ゆえにこんなにも差がついたのか?
JALは半官半民だったので、国内のあらゆる地方空港への便を用意する必要があった。
しかし政治家が、公共工事の為に無理やり作った地方空港の利用度はきわめて低い。
結局は、JALの経営を圧迫する原因の一つになってしまった。
いささか遅きに失したが不採算路線を縮小しているが、それでも焼け石に水のようだ。

可哀想なのがJALのOBで、企業年金の減額に応じなければ政府と支援機構によって年金基金を解散されるとの事。
JAL案受諾なら30%カットだが、拒否の場合60%以上カットになると説得しているシーンが映し出されていたが、こんなの居直り強盗のような無茶苦茶な論理で、まともな会社員の台詞ではない。
とは言え、高給で有名だったJALなので、年金カットへの世間の目は冷たい。

今回のJAL再建問題で一つだけ評価できるのは、首脳陣の処遇だ。
既に新体制の責任者に京セラの稲盛和夫名誉会長の名前が挙がっているが、西松遥社長ら現役員は大半が退陣するらしい。
経営は結果責任だからやむを得ないが、西松社長は安月給で必死に建て直しに取り組んでいた姿勢は評価されていた。
矢尽き刀折れた心境だろうが、責任の取り方としては潔い。
一昨年のリーマンショック以降、他にも業績の芳しくない会社はヤマとある。
しかしJALの経営陣のように、総退陣で責任を取るケースは稀だ。

ところで、ビジネス社会ではJALに同情しているわけには行かない。
デルタやアメリカン航空が、グローバル経営の見地からJALを奪い合っている。
もしも当方がANAなら、水に落ちた犬を鞭打つ!
JALマイレージをそのまま引き受けます」キャンペーンで、JALの優良顧客獲得を考える。
今、JALの大口顧客はマイレージの行く末に不安を持っているはずだ。
ANAが果たしてそこまで阿漕な手段をとるのかは知らないが、JALの大口顧客を丸ごと引き抜くビジネスチャンスでもある。

かって世界の優良企業だったJALが、こんな黄昏企業に成り果てる。
エクセレントカンパニーだった長銀山一證券は、会社そのものがなくなってしまった。
今後は安心して身を委ねる会社なんて、どこにもないと思わないといけない。
自分で自分を守る!
その為には、資金の運用とか、株とか、金購入とか余計な事を考えず、ひたすら箪笥預金をするに限る。