昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ブレる、ブレない

民主党政権への支持率が、依然として下落している。
ほんの一瞬だけ、菅直人が首相就任直後に脱小沢一郎路線の目晦ましで人気を回復した時期があったが、それもすぐに化けの皮が剥がれてしまい、参議院選挙でも大敗。
恐らくは9月代表選まで何ら有効な手立てを打てる事無く、更に凋落の一途をたどるに違いない。
民主党は、それまでの自民党政治への閉塞感から、一年ほど前に過度の期待を集めて誕生したが、無責任極まりない様々な政策の中で、まさに自爆してしまった。

しかし、財源の目処もないのに子供手当や高速道路無料化をばら撒き、しかも消費税率は四年間据え置くような民主党の人気取り政策に期待してしまった「国民」の見識こそが、実は一番の問題だ。
性懲りもなく今度の参議院選挙では、「官僚こそ諸悪の根源」と、公務員制度改革の一点突破政党「みんなの党」が飛躍的に躍進した。
霞ヶ関に30兆円の埋蔵金があるので、消費税値上げは不要!国会議員定数削減など、税率アップより前にやるべきことはたくさんある」と言われると、あまりの耳触りの良さについ一票を投じてしまうのだろう。
しかし、所詮は野党の気楽さから綺麗事を並べた民主党の二番煎じでしかない。
万が一にでも政権にでもつけば、すぐに行き詰ってしまう事間違いない。

政り事は、決して庶民の快哉を浴びるものではない。
世の常として政権を担当する与党は、時として一般大衆に犠牲を強いるような施策を打ち出さざるを得ず、そんな与党を攻撃さえすれば票になる野党は八方美人的政策を主張しやすい。
今回の民主党の挫折は、この典型だ。
沖縄に矛盾を押し付ける事で日本全体が恩恵に預かっている米軍地問題など、「あちら立てればこちら立たず」なのに、鳩山由紀夫は稚拙な「友愛」精神と、沖縄県や反米の票欲しさに長年かかってやっと落ち着いた辺野古湾沿岸への移転案を白紙に戻そうなんて、出来もしない公約を打上げ、結果として二進も三進もいかない醜態を演じた。
菅直人もまた乾坤一擲の勝負手、消費税率アップに政治生命を賭けるかと思いきや、ほんの少し支持率が落ち込んだ途端、「当分は消費税を上げない」とまで後退するだらしなさを見せた。
また小沢一郎に対しても、首相就任直後には「しばらく静かに」と大見えを切り拍手喝采を受けたが、選挙に負けると「是非ともお会いしたい」と擦り寄るも、今度はシカトされてしまう。
挙句は「財務相にさえならなかったら、消費税率アップの発言はなかった」と、選挙敗北の責任転嫁もこれに極めれり発言で、こんな輩が政治の中枢にいる事すら恐ろしい。

鳩山も菅も、いずれも政治家として、肝、腹が据わっていない。
これは民主党だけでなく、それ以前の安倍晋三福田康夫麻生太郎と三代続いた自民党の首相も一緒だった。
荒唐無稽な政策でも、マニフェストだのアジェンダだのと横文字の軽い言葉で飾り立てれば、何となく実現出来るかのような錯覚に陥っている。
要は現在の政党と政治家には、人気取りによる選挙結果だけが関心事であり、政策の実現などは二の次になってしまっているのだ。

政治家としての資質で我々に最も分かりやすいのが、その政治姿勢がブレるか否かだろう。
少なくとも一国のリーダーたるもの、一時的な不人気や評判の悪さに怯み、自分の主張を変えるようでは、安心して政治を任せる事が出来ない。
皮肉な事だが、そんな当たり前に単純な事実がこのところ続いた頼りない政権によって明白になった。

鳴り物入りで誕生した鳩山由紀夫菅直人首相に何らかの意味があったとすれば、民主党では首尾一貫した政策実行が出来ないと露呈させた事でしかない。
政治は、民主党が夢想したような似非理想論では済まない事が、万天下に知れ渡った。
寄せ集め政党の民主党自身に内在している矛盾も、マグマのように蠢き始めている。
日本経済を牽引し、我々により良い生活を提供してくれるような頼りがいのある政治家なんて、与野党を問わずまるで見られない。
代りに、タレント議員や二世議員が花盛り。

こんないい加減な政治家連中に、我々の生活を委ねるなんて自殺行為に他ならない。
我々に残された道は、国や地方自治体からの支援などは期待せずに、老後の生活設計、健康管理で、自分で自分を守るしかない。