昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

スペインで最後の仕事と最後の晩餐!

スペイン三日目

この日が、スペインでは最後の仕事になる。
約束の時間に相手がいなかったり、部屋がないので立ち話などのハプニングはあったが、取り合えず、全て無難に終了した。

エージェントに、「最後の晩餐は何?」と聞くと、「もちろんパエリア」と即答される。
パエリア三連発になるが、彼は「バレンシアに来たらパエリア」と力説する。
「但し、三日目は黒パエリア、三日間とも嗜好が違う」とは、いささか言い訳がましい。
エージェント曰く「スペインでは珍しく20時オープンで、ホテルが推薦した店」と、大いに期待を持たせる。
いつも眠たい当方へ、彼なりに気配りなのだろう。

例によってホテルのバーで時間をつぶした後、勇んで20時に件の店に行く。
が、見事に閉まっている。
エージェントが慌てて交渉すると「20時半に開店なのだ」と、まるで取り付く島がない。
仕方がないので、30分間ビーチを散歩。
初めて地中海の水に触り、くだらない感激に浸った。
同行の士が、海水を口に含んで「塩辛くない」と感想を漏らす。
確認しようかとも思ったが、砂まみれの汚い海水を見ると、とてもそんな気にはならない。

20時半、晴れてレストランの予約席に着く。
すると、予約カードには我々の名前と共に20時と書いてある。
少々責任を感じて意気消沈していたエージェントの担当女性は、それを見てホッとしていた。
肝心の料理は、今まで三件のレストランの中では一番まずい
エージェントの親玉に「次回はこの店はパス!」と言うと、「今回は自分達の奢りなので、安い所を予約した」とウィンクする。
まるで悪気がないので、怒る気にもならない。

実は、「次回」のスペイン出張はない。
双方ともそれが分かっていながら、絶対に態度には見せず、気持ちよく軽口を叩きながらの最後のディナーを楽しんだ。
デザートが終ると、ヨーロッパのエージェント達ともお別れになる。
少し感傷的になり、ホテルへの帰路に改めてこれまでの協力に感謝した。

これでスペイン出張は全て終了。
明日の午後には、最後の目的地ドイツへと向かう。