昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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後輩からの一言

旅の空で一緒だった後輩が、「○○日、空いていますか?」と突然質問してきた。
僕は、最近早寝早起きなので、接待の夜の宴席はほとんど遠慮している。
この後輩とも、一緒に仕事をするようになって2年間が過ぎたが、一度も一緒に飲みに行った事がない。
「ウン、予定なし」と答えると、「グループ全員で、感謝の送別会をしたい」と切り出してきた。

彼は、この事業の現場責任者として、三年間の約束で本社が送り込んできた人材だった。
英語が堪能、性格も円満、仕事上は非の打ち所がない、
酒が入るとオンナ癖が悪いのが唯一最大の欠点と聞いたような気がするが、上記理由で未確認。
そんなオトコなので、二年前にこの事業担当を命じられた時は「左遷された」と思ったらしい。
「正直、ショックだった」と、打ち明けた。

彼と二人三脚、と言うよりも、彼が働きやすい環境を作るのが僕の仕事だった。
彼の大車輪の活躍で、赤字事業が急成長し、今や注目度ナンバーワン(はチョット大袈裟か)。
堂々とした黒字事業になり、人もドンドン増やし、営業、技術担当者は今や倍増。
設備投資も、分不相応なほど積極的に実施、能力も大幅アップ。
他に間接部門の担当者もいるので、事業としては大部隊の編成になってきた。

ここに至るまで共に苦労した仲間なので、こっちは同志と思っていたが、向こうの気持ちは分からない。
ひょっとしたら、当初の約束通りに三年間の腰掛で、この事業は次のステップの踏み台と考えているかもしれないと思わないでもなかったが、敢えてそんな事を忖度しないようにしてきた。

それが今回、一緒に出張したスペインの地で、最後の最後になって「この事業担当を続けたい、本社には戻りたくない」と言ってきた。
そして、「今までお世話になったので」と送別会を打診された。
さすがに嬉しかったナァ。

社内の分からず屋連中や、お節介連中に、事業をかき回される事が間々発生した。
顧客からも、無理難題を吹っかけられ続けた。
都度、年の功であれこれ調整してきたが、彼はそれを感謝していてくれた。
その事を理解している人間が一人でもいてくれたとは、仕事冥利に尽きる。

当日は美味い酒が飲めそうだ。