昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

森光子、90歳

久しぶりに、テレビで森光子の姿を見た。
そしてその容姿の変り加減に、複雑な思いに駆られた。

つい最近まで、放浪記の舞台でデングリ返しを披露していたはずだった。
しかし、目を背けたくなるような厚化粧でも、もはやその衰えを隠せない。
「化け物のようないつまでも若い」と賞賛されていた女優だが、声も弱々しく、所詮は90歳の顔立ちに変わっている。
「少年隊の東山が大のお気に入り、東山も満更ではない」等と、若さをアピールする為、90歳近い森光子の恋物語が恣意的にでっち上げ話題が流されていた。
が、あの姿を見ると、流石に東山、サッサと結婚して難を逃れたようだ。

僕は、年をとった後も「若い」と言われるのは、褒められているのではないと考えている。
若さは魅力のように思われてきたが、実は若く見えるほど引き上げ時が難しくなる。
森光子も、高倉健も、そして吉永小百合も、若さへの賞賛が、今やプレッシャーと化しているはずだ。
高倉健は、全く姿を消した。
吉永小百合は偶にCMで現役振りを見せているが、あと何年持つのやら。

芸能人の葬儀に集まる老優達は、普通には有り得ないほどに化けても、総じて昔の銀幕の勇姿を失っている。
それでもファンが持つイメージへの拘りから、必死に金をかけて偽りの若さを装う。

当方は気が楽だ。
「少々」と言うか、「かなり」と言うか、容貌は衰えた。
相応の、年寄りとなってしまった。
だけどこっちは誰からも注目されていないので、気取る必要もなければ、外観を気にしなくても平気。
若いオネーチャン達は、振り向いてもくれない。
しかし、すっかり色気からは達観しているので、当方もオネーチャンには興味がない。
いかなる誘惑にも動じない禅宗の坊さんか、般若心経の心境に近い。

人間、衰える事を恐れる必要などない。
誰もが必ず老境を迎え、そして朽ち果てる。
変に無理をした若作りなどあきらめて、自然に任せればいい。
何事も程々が良い。

それにしても、社会的知名度がないとは、何と気が楽な事だろう。