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日本シリーズは中日対ロッテになったけど

日本シリーズの組合せが決まった。
千葉が拠点のロッテと、名古屋拠点の中日。
各々のチームファンには結構なことかもしれないが、興行としては最悪。
何でも、最初の二試合は日本シリーズの全国放送がないらしい。
地方の活性化には役立つかもしれないが、全国的には、前代未聞、史上でも稀に見る不人気日本シリーズになるだろう。

セリーグクライマックスシリーズは、ほとんどをテレビ観戦した。
巨人は、中日に完全な力負けだった。
徹底的に投手陣を強化した、中日・落合監督の戦略勝ち。
強打者を揃えた巨人とはまるで違う野球を目指し、接戦でも負けない。
まるで面白味のない試合で、人気や派手さはないが、勝つ為には最善の道だろう。

最後に中日・和田が放ったサヨナラヒットはレフト・ラミレスの守備が上手ければ捕れたかもしれない。
しかしシーズン中、ラミレスの強打で勝った試合もたくさんある。
巨人にとってのラミレスは、攻撃用の中心人物であり、守備のまずさは織込み済みのはず。
最終回を任された久保投手も、フォアボールを出した時点でアップアップ状態が見えた。
つまりは、これが巨人の実力と言う事になる。
中日には、ラミレスほど極端な攻撃専任者はいない。
野手全員がソコソコに攻撃も守備もこなし、鉄壁の投手陣で勝ちを拾う。
ホームランの華やかさは少ないが、広いホームグラウンドの名古屋ドームを知悉した戦い方であり、勝ちに至る確率は高い。
この点でも、狭い東京ドームで、派手な打ち合いを制する方針の巨人とは、まるで行き方が違う。

一つだけ、中日が勝って評価される事がある。
万一、日本シリーズの君合わせが巨人対ロッテになると、両方とも半年間のペナントでは三位のチームが「日本一」を争う事になる。
それは流石に問題だろう!
ペナント首位通過の中日が勝ちぬいた事で、からくも日本シリーズの権威が守られたような気がするが、構造的な問題が解決されたわけではない。

今の日本シリーズは、日本一チームの決定戦ではない。
アメリカ大リーグのプレイオフ制度の猿真似だろうが、リーグ数もチーム数も歴史も違う。
勝利チームは、日本シリーズと言う、単にあるルール下での短期決戦を制したに過ぎない。
ペナントリーグで負けたチームのファンには、敗者復活が認められ、それなりに嬉しいかもしれないが、選手にもファンにも、腹の底から満足するような充実感は絶対にあり得ない。

そもそも、こんな妙チキリンな試合形式を採用した事自体が、野球人気の低迷の証左だ。
いくら日本がWBCで優勝したと騒いでも、既に野球はオリンピックの正式種目からはずされている。
柔道は世界中から強豪が登場、日本の金メダルが厳しくなった分、カラーの柔道着を採用しながら国際化して生き延びているのとは好対照だ。
そんな興行を打つプロ野球は、いずれ間違いなく衰退の道をたどるだろう。