昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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原発事故と電力不足問題

そもそも原発について詳しいわけではない。
むしろド素人に過ぎない。
しかし、毎日原子炉の模型図を見せながら、評論家が深刻な顔つきで「大丈夫」と連呼しても、どうも不安感や猜疑心で一杯になってしまう。
枝野幸男は、当初「安全なので問題ない」を繰り返し、「念の為に避難するように」と説明した。
しかし今やこれは、まるで根拠のない、単なる楽観論の垂れ流しだった事が分かっている。

素人なりに、原発の運転はまるで矛盾したバランスの上に成り立っていた事が分かった。
沸点を上げる為に、原子炉の中は高圧がかけられている。
その結果、水で冷やす事が効果的と分かっていても、水を注入する事が簡単ではない。
「サッサと冷やせ」と思っていたが、そう単純な問題ではなさそうだ。
また海水で冷やせし続けると塩害が発生するとか、五年間は冷やし続ける必要があるとか、果ては冷やした後をどうするのかは明確なわけではないとか、聞けば聞く程暗澹たる気持ちになってしまう。
自衛隊、消防隊、警察、東電の命懸けの作業でさえ、実はこれ以上の悪化を防いでいるだけの取り敢えずの措置でしかなく、真の解決方法は全く分かっていないようなのだ。
例え膠着状態に持ちこめても、数年間は全く役に立たなくなった原発をひたすら冷やし続けなければならないのはやるせない。
最終的にはチェルノブイリのように、コンクリートで封鎖してしまい、今後半永久的に立ち入り禁止にするしかないとの意見に、妙に説得力を感じてしまう。

今回重々わかったように、原発は一旦事故が発生するとコントロール不可になり、トコトン暴走する恐れがある。
要は、絶対に事故を起こしてはいけない設備だ。
「日本の原発は安全」との神話があった。
何重もの安全策が講じられているので、絶対に放射能漏れなど発生しないはずだった。
しかしM9.0の地震と大津波で、その神話は跡形もなく吹っ飛んだ。
「こんな大きな津波は想定外だった」と言い訳されているが、それはおかしい。
世界では、M9以上の地震は数度発生している。
それなのにM7.4程度の地震を想定して、「原発は安全だ」と騙していたのと一緒だ。

被災地の深刻さには比べるべくもないが、関東全域も計画停電でてんやわんやの状況だ。
照明も半減され、エレベータやエスカレータも止まっている。
工場稼働も思うに任せない。
夏場は、更に電力不足が厳しくなるようだ。
しかし、照明など今の程度でも充分だし、階段を登れば別段困る事もない。
夏場は、職場の冷房、家庭でのクーラーは禁止して、扇風機か団扇で我慢する。
そうすれば排気熱も減り、地球温暖化も防ぐ事が出来る。
現在は問題の無い関東・東北以外の地も、いずれは同じ問題に直面する。
原発稼働が制約を受けると、電力不足は長期化する。
少々暑くても我慢、我慢!
心頭滅却すれば、夏の暑さなんかなんて事ない!(事を祈っている。)

石原慎太郎の「天罰」はまるで頓珍漢発言だったが、僕は今回の原発事故は「電気が足りないので、需要を減らしなさい」との、神様の警鐘の様な気がしている。