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反原発と菅直人

原発を主張する運動家は多い。
僕は今までのように「原発は安全」と能天気に信じ込んではいないが、「原発は恐ろしいから不要」との意見には与しない。
原発は未だに安全ではないが、日本経済が国際競争の中で生き延びる為には、原発による電力供給は必須だと信じている。
原発への不信感は理解できるが、それを理由に原発を拒否するのなら、今享受している便利な生活を諦める必要がある。
僕は小市民そのものだから、夏に冷房、冬に暖房のない生活は想像できない。
またテレビやインターネット、冷蔵庫、洗濯機の使用が制限された不便な日常は御免蒙りたい。
だから、現在可能な細心の注意を払って、原発を稼動させるべきだと考えている。

便利な生活を犠牲にしてでも原発を拒否する人達の考えは、それはそれで傾聴に値すると思うが、しかし菅直人の「反原発」の政治姿勢は、全く評価していない。
そもそも菅は、浜岡原発の突如全面停止を大見得を切って発表した今年の5月でさえ、「他の原発は稼動」を要請していた。
6月になって、海江田万里が「各地の原発は稼動再開を」と要請した時にも、「自分も海江田大臣と同じ考え方」と明言している。
しかし直近の彼は、明らかに原発再稼動に消極的だ。
唯一再稼動に理解を示した玄海原発に対しても、佐賀県知事からの面談要請を拒否した。
更に、あろう事か、突如としてストレス試験実施を命令し、原発再稼動のハードルを上げた。

ではこの間、何が変わったのか?
菅直人退陣が秒読み段階になったのに、彼は総理大臣を辞めたくない。
だから「原発の是非を問う」と、反原発を錦の御旗に国会解散を脅しに使って「辞めろ」コールを塞ぎ込み、このまま居座りを決め込む。
「反原発姿勢こそが政権維持の命綱となった」以外に、菅直人の変身を説明できる材料はない。
変節漢と糾弾されようと、唐突で無定見と批判されようと、総理大臣として居残る為なら何でもあり。
たとえ電力不足で日本経済が失速し、大不況になろうとも、解散総選挙で被災地の復旧が遅れようとも、自分の退陣を遅らす事が出来る政策なら何でも使う。
それが今の菅直人の政治姿勢だ。

総理大臣が、日本全体がどうなろうと、自分の立場を守る事を優先する。
こんな不幸があるだろうか!
無論、菅直人は、「自分こそ日本の救世主」と信じ込んでいるのだろう。
でなければ、与野党を問わずここまで孤立無援の状態で、総理大臣を続けようと思うはずがない。
しかし、肝心の「日本を救う」はずの、その政策の実態が全く見えてこない。
原発を止めて自然エネルギー」と言っても、その実現には数十年の時間が必要だ。
しかもそうこうしているうちに、電力供給の主力源の化石燃料が払底してくる。

大局観も国家観もないまま、ただひたすら自分の立場を守る為だけに、姑息な手段を労する事も辞さない。
この間繰り返された、菅直人の処世術を目の当たりにすると、日本経済破綻が現実味を帯びてくる。