昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

将棋と囲碁とマネジメント

マネジメントを、将棋と囲碁に例えて見た。

将棋は、金将銀将、飛車、角、桂馬、香車、歩兵と、個性溢れる兵士が、己の役割分担を果たす事で、自陣の王将を守りながら相手の王将を攻め立てる。
最終的には、いくら自陣の兵士が傷つこうが、王将を倒すか倒されるかで勝負が決着する。
一方の囲碁は、白石、黒石の全てに全く個性はないし、上下関係もない。
各々の石は、打ち手の意思によって配置され、各々が連携をとる事で勢力圏を広げる。
最終的には、勢力圏の広さで勝負が決まる。

将棋と囲碁は全く毛色が違う遊びで、ビジネスへの応用も異なってくるはずだ。
将棋は、ワンマン社長がいる会社の経営に近い。
あらゆる駒が社長に絶対忠誠を誓い、社長の為だけに働く。
隆盛のときは良いが、劣勢になると、陣営の攻撃線も防衛線も散り散りになってしまう。
相手に致命的なミスがない限り、逆境を跳ね返す一発逆転は難しい。

一方の囲碁は、大会社のビジネススタイルに近いか。
守るべき旗頭よりも、全体のシェアを最優先する。
兵士(碁石)は徹底的に個性をそぎ落とし、黙々と命令に従う。
兵士に上下関係がないので、振り替わりと言って、ある場所の兵士を犠牲にして、自分に有利な他の場所を占拠する方策も採りやすい。

捕虜の扱いの違いも興味深い。
将棋は、捕虜を生え抜き兵と全く差別しない。
有効利用、むしろ飛び道具として最前線に投入する。
一方の囲碁は、捕虜は最後の勢力圏の広さを競うとき、相手の陣地を狭める為だけにしか機能しない。
中途採用社員でも、会社の役に立ちさえすれば、ドンドン働き場所を与えるのがオーナー会社。
大会社では、中途採用者はなかなか日の目を見ないし、活躍の場が限定される。

将棋が古いタイプ、囲碁が近代的なマネジメントと思っていたのは勘違いだったようだ。
やはり現実のビジネスは、将棋や囲碁で説明がつくほど簡単ではない。

余談だが、王将が頓死する将棋よりも、陣地の広さが不足した囲碁の方が、勝負の決し方は穏やかだ。
その昔、将棋名人の升田幸三は「オンナは将棋の敗北の辛さに耐えられない。だから囲碁の高段者にオンナはいるが、将棋界では絶対に存在し得ない」と言い切った。
かなり危険な発言だが、それを否定する女性のプロ将棋指しは未だ現れていない。