昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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欧州で女性役員が大幅増

欧州の上場企業では、一定以上の女性役員が義務付けられるとの事。
ベルギーやオランダでは、役員の30%から40%を女性に割り当てる法案が成立、EU全体へ波及するようだ。
日本の女性役員は、わずかに1%。
その差歴然で、欧米に比して日本企業の立ち遅れが指摘されている。

最近でこそ日本でも、男女雇用機会均等法などが制定され、働く意思を持った女性への配慮も増しているが、企業側にすれば、仕事は腰掛で一種の社会勉強期間、首尾良く相手を見つければ、寿退社の確率が高い女性に、貴重な経営資源を投入するのを躊躇う傾向があった事は間違いない。
もう30年以上も前の話だが、我が社でも女子社員が組合に対して、男性に比べ給料面で差別されていると文句を言った事がある。
その時の組合委員長は、「貴女の旦那サンが、会社のオンナの子(現在ではセクハラ用語だが)と一緒の給料だった場合、貴女は我慢できますか?どうしても高い給料が欲しいのなら銀座のホステスになりなさい」と暴論を吐いた事がある。
今だったら大騒ぎの問題発言だろうが、不思議な事にそれで一件落着となった。

実は日本でも、バブル時代に一度、女性登用が喧伝された。
某メーカーのヒット商品は、男性の凝り固まった考え方からは及びもつかない、女性の斬新なアイディアから生まれたとか、大いに女性の感覚が持て囃されたが、残念ながら続かない。
この手の話は元々、真偽の程も怪しいが、何よりも肝心の女性陣の多くに、「オトコを押しのけてでも」なる気迫に欠けている事が、女性登用を更に難しくしてきた。
長らくサポート業務がメインだった女性に、ある日突然リーダーになるよう要請しても、「任せなさい!」とはならないものだ。

時は移り五年ほど前に、我が社でも社長の鶴の一声で「女性登用運動」が始まった。
何せ、思いつきとは言え、社長の後押しがあるので早速精鋭五名の女性がチームを作り、全社啓蒙運動を開始した。
偶々僕と同じ職場の女性もその一員になり、講師を呼んで勉強会やアンケート調査を繰り返していた。
余計なお節介とは知りつつ、「そんな勉強会は、最初は珍しくて人が集まるが、継続するのが難しい。本気で女性登用を進めるのなら、先ずは部長職をいくつか女性に割り当てるように会社と交渉しなさい。そして少なくとも登用運動のリーダーは即刻、その部長職に立候補するべきで、女性が実際に部長になれる事実を作る事が重要」とアドバイスした。

彼女もすぐにチームミーティングで提案したらしいが、メンバー全員が「未だ自分には実力がない」と尻込みする。
肝心の女性登用メンバーが、自ら実力不足を認めたのでは話にならない。
「実力不足なら、オトコの部長だってたくさんいる。今大事なのは、私を部長に!との進取の気持ち」と重ねて説得したが、結局誰も決心がつかなかった。
それから五年の今年6月、遅まきながら我が社にも初めて女性部長が誕生した。
しかし周囲の評価は、未だ際物意識が抜けていない。
やはり新任女性部長が自ら、自分の実力を示さない限り、女性役員誕生までは時間が更にかかる。

世界中のプリンセスの中でも、一際抜きん出た頭脳といわれる日本の皇太子妃も、現状は皇室との慣れぬ環境に適応するのが精一杯のようで、自信に溢れた行動からは程遠い。
ただ、嘆いていても事態は改善されない。
海外では、法律で縛る事で女性登用を進めるようだ。
しかし日本では、やはり女性自身が今の状況を突破する気概を持って女性登用の道が開かないと、折角の動きが定着するには程遠い。