昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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最近、涙腺が緩んでしまって

年をとって涙腺が緩くなった。
すぐに涙ぐむ。
昔は人前で泣くなんて絶対になかったが、最近は人目も憚らず「グスグス」となる。
余りカッコ良い物ではないが、ありきたりのお涙頂戴ストーリーに感激してしまう。

思い出すと、母親が死んでから、涙もろくなったような気がする。
母親は、頑丈そのものの様に見えたが、初めての入院であっけなく死んでしまった。
その時に、世の無情さを儚み、母親の遺体にすがって号泣した。
人前で涙を流した、初めての経験だった。

人には、涙を流すポイントがある。
笑うポイントはすぐに陳腐化するが、泣きの方はいつまでも持続する。
その証拠に、同じ映画を何度見ても、同じシーンで泣いてしまう。
次に何が起きるか分かっていても、いつも同じ場面で涙ぐむのは、自分の経験と重なるからだろう。
馬齢を重ねていても、それなりに辛かった事、嬉しかった事を経て、今の自分がある。
そんな思い出を刺激されると、ついつい感傷的になってしまう。

とは言え、赤ん坊は泣きながら生まれて来る。
そして、泣く事で自分の要求を伝える。
年をとって泣きやすくなるのは、単に赤ん坊に先祖返りしているだけかもしれない。
そう思うと、最近は矢鱈と怒りっぽくなったし、自制心もなくなってきたようだ。
涙腺が緩んだ事が、呆けへの第一歩と思うと、恐ろしくなってくる。

喜怒哀楽は人間的感情の発露だが、怒りと哀しんでいると、一見思慮深い人物に見える。
しかし、いつも喜び楽しんでいると能天気なオトコと思われがちだが、一方では心身ともに健康的な年寄りになれそうな気がする。
涙もろい分別か、あっけらかんのお気楽人生か?
今から老境に入るハムレット爺ィには、それが問題だ。