昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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佞臣石原伸晃が総理大臣になる日

お公家様、谷垣偵一が、自民党総裁選から脱落した。
与党民主党が自滅したので、野党自民党にやっと政権復帰が見えてきた。
ひたすら首相の座を目指して、臥薪嘗胆のこの間を耐えてきた谷垣偵一総裁にとっては、やっと巡ってきた最大のチャンスのはずだった。
谷垣は民主党野田佳彦首相を追い込み、三党合意の中で「近いうちに解散」の約束を取り付けた。
ところが抽象的な「近いうち」の解釈は人様々で、野田はスッカリ居直りを決め込んだ。
騙された谷垣は、発作的に他の七党の内閣不信任案に相乗りする失態を仕出かす。
人の良さと、読みの浅さが暴露され、自民党内で足をすくわれる隙を見せてしまった。
日ごろから、自民党長老連中の意見を退けてきた谷垣に対して、古賀誠森喜朗、そして政界を引退しているはずの青木幹雄までが谷垣に反旗を翻す。
進退窮まった谷垣は、泣きの涙で自民党総裁選からの撤退を発表せざるを得なくなった。
長老連中の意中の候補は、自分達への配慮を怠らない石原伸晃幹事長。
昨日の立候補表明で、石原伸晃は一躍最有力候補となった。

と、ここまでは大半のマスコミで発表されている

石原は、「谷垣が出馬なら支持する」と公言していた。
しかし一旦谷垣に逆風が吹き始めると、谷垣支持の条件として「古賀誠の了解」を突きつけた。
谷垣と古賀は、同じ派閥ながら犬猿の仲なのは、誰もが知っている。
石原は谷垣に、出来もしないハードルを突きつけたことになる。
すなわちこの時点で、石原と長老連中の間には、谷垣降ろしのストーリーが出来上がっていたはずだ。
哀れ、お人好しの谷垣は、健気にも古賀誠を訪ね支持を請い、案の定、袖にされる。
石原に支援を依頼すること四度にも及んだが、腹に一物ある石原が谷垣の要請を受けるはずもない。
石原と長老の読み通り、谷垣も民主党鳩山由紀夫菅直人同様に自爆の道を辿ることになった。
ところが、全てが予定通りのはずの石原陣営に、ちょっとした計算違いが起きている。
石原が谷垣を裏切った、「平成の明智光秀」との汚名を着せられたのだ。
さっそく他の候補達からは、「長老支配」とか「主君への裏切り」とかの攻撃を受けている。

政治の世界では裏切りや野合は当たり前なので、権力を掌握するために権謀術数の限りを尽くすのも当たり前。
石原伸晃は、要領のいい政治家らしい。
爺ィキラーとの評価もある。
選挙は多数を占めたほうが勝つので、いくら「古い体質」と非難されようとも、長老に支援を頼むのもありうる。
勝てば官軍だから、石原が長老達と谷垣降ろしの謀議を巡らしたのも許されるだろう。
しかし政治家たるもの、そんな醜い部分を隠す能力も要求されるのだが、石原は危機管理面の配慮も欠けている。

不思議でならないのは、谷垣の墓穴となった内閣不信任案については、石原は幹事長としての責任は免れないことだ。
内閣不信任案については、あたかも谷垣の政治音痴の典型のように語られ、森喜朗は、あの件以降谷垣支持の気持ちが100%なくなったと話したが、それなら石原も同罪だ。
国交大臣だった時、「北海道の高速道路は熊しか走っていない」と発言、鈴木宗男に、「証拠を出せ」と凄まれた時に顔色なしで黙り込んだシーンが思い出される。
総理大臣になった後に何をやるのかが一番大事なのだが、石原はこの部分が一番弱い。
親父と違って、喧嘩にも弱い。

大胆に予測すれば、石原伸晃が総理大臣になっても、残念ながら育ちが良かっただけの鳩山由紀夫、性根が腐っていただけの菅直人とそう違わない姿を晒すような気がしている。