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セゴビアは冬景色、大作「ゲルニカ」に人だかり

早朝目を覚ますと、大雨が降っている。
この日の目的は、スペインの新幹線(RENFE)を利用して、セゴビア(SEGOVIA)観光だったが、雨なら興味半減する。
拠ってそのまま、寝続けることを選択した。
8時過ぎに再度目を覚ますと、今度は雨が上がっていた。
それでは従来予定を復活と、朝食を食べた後、いざ、セゴビアに向かう。
この辺のテキトーさは、一日中ビッチリと予定が決まっているツァー旅行との一番の違いだ。

この手の気楽な夫婦二人旅では、常に地下鉄のチケット購入に時間がかかる。
どこの国の地下鉄も、現地の言葉しか書いてない上に、カードオンリーとか、紙幣だけとかの制約がある機械が多く、いつも悪戦苦闘してしまう。
今回も、「アレ、アレ?」とか言いながらモタモタしていたら、隣で同じように苦労していた日本人夫婦と思しき二人組みが駅員に助けを求めた。
そのやり方を横目で盗んで、何とか地下鉄チケットのゲットに成功。

今度の新幹線チケットは、目的地はズラリと並んでいる売り場の何番カウンターで買えばいいのかが分からない。
駅の係員相手に質問しながら、ヤットコサで目的地セゴビアまでのチケット二枚をゲット。
わずか27分の搭乗で、料金は一人12.5ユーロと大いに安い。
但し日本の新幹線のようには座席が回転しないので、最初から進行方向に背を向けて座らざるを得ない。
セゴビア到着までトンネルを二度潜るが、その度に外の景色が薄ら寒くなり、現地に近づくにつれ、4月末なのに雪が積もっているのが見える。
マドリッドも寒いが、高地1000mのセゴビアはもっと寒い。
天気予報で、「4月28日、スペイン北部地方は季節はずれの大雪に見舞われた」みたいな放送が繰り返し流されていたから、我々がセゴビア訪問する前日に、思いもかけない雪が降ったようだ。
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駅にはシャトルバスが待っているが、所要時間20分のこの料金は一人1ユーロと、これまた安い。
バスの終点で、ローマ人が作ったと言われる「水道橋」が、威風堂々と観光客を迎える。
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観光案内所で「大聖堂とアルカサールはどっちかね?」と聞くと、「Where are you from?」ときた。
こんな質問には必ず胸を張り「Japan!!」と答えるのは、一体どんな深層心理なのだろう。
すると、「ハイ」と日本語のパンフレットをくれた。
こんな僻地(と思っていた)観光地にも、日本人が大挙して押しかけているのだろう。
そういえば途中にも、日本語の道案内があった。
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歴史的建造物のアルカサールは、絶対に一見の価値あり。
スペインのイサベル女王の居城らしいが、川に囲まれた高地なので天然の要塞だったらしく、町並みも含めて、昔の佇まいをそのまま残している。
大満足して帰路に就いた。
帰りの新幹線は、料金が倍の24.9ユーロなのに、所要時間は32分と長くなっている。
日本流では、往路が「こだま」で復路は「ひかり」なのだろうが、時間が余計にかかるのが納得できない。

マドリッド到着後、今度はピカソの名画「ゲルニカ」を見るために「ソフィア王妃芸術センター」に直行。
地下鉄の駅を出ると、篠つくような大雨が降っている。
すると数人の黒人たちが、自分たちはズブ濡れになりながら、「傘どうだい?」みたいなスペイン語で傘を売りこんでいた。
こんな商売が成り立つのは、この地にコンビニも大型スーパーもないからだろう。

芸術センターは、雨にも拘らず長蛇の列が出来ていた。
丁度4月末から「ダリ展」が始まっていたので、観光客だけでなく、現地のスペイン人も大挙して押しかけたようだ。
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大作「ゲルニカ」まで辿り着いた時には、すっかり疲労困憊。
人だかりの間に割り込むように、ピカソが描いた反戦絵画を鑑賞する。
ピカソの中でも代表作なので、きっと芸術的価値が高いに違いないが、繁々と見つめても「俺にも描けそう」程度の感激しかない。
これでは宝の持ち腐れ同様、わざわざマドリッドまで名画鑑賞に来た甲斐がないというものだ。
芸術的素養のない自分が、真に情けない。
芸術センターを後にする時には、何と雨がすっかり上がり、スペインに来て始めて見る青空が一面に広がっていた。
一旦ホテルに帰って、疲労回復の後夕食に行くことにしたが、ベッドで転寝の積りが一時間以上も寝込んでしまった。

すると、わずか1時間前晴れ渡っていた天気が、一転して大雨。
そんな中でも、全く傘を持たずズブ濡れになりながら歩いているスペイン人を多数見かけた。
イギリス紳士は晴天でも傘を持ち歩くと教えられたが、雨天でも傘をささないヨーロッパ人は結構多い。
この日の夕食は、急遽途中で見つけたタイ料理店に決定。
ところがこの店が掘り出し物で、今までどこで食べたタイ料理よりもおいしかった。

すっかり満足して、ホテルに帰還後、風呂に入ってすぐに轟沈。
観光は体力勝負だと、改めて痛感。